※この注意事項を確認してから読んでね※
・このSS内で行っているゲームは『シークレットゲーム』『キラークイーン』というゲームに登場するゲームを元にしております。
気になった方はswitch版が出ているのでそちらをどうぞ。
・元ネタはデスゲームですがルールや設定を一部変えて【デスゲーム風レクリエーション】みたいな感じにしております。そのためアイドル部の面々が裏切りを行ったりしますが、あくまでゲームだから行っているのであってゲーム以外では普通に仲良くしている設定です。ドカポンで裏切りしているようなもんだと思ってください。
・作者は『キラークイーン』『シークレットゲーム』やそれを元ネタとした創作の影響を当然受けているので似たような展開があっても許してください。個人的には『彼らは最後まで殺しあうようです。』とかがオススメの創作キラークイーンです
・視点がコロコロ変わります。作者はプロじゃないので許して。あとキャラ崩壊も許して。
・不定期更新です。失踪する気は無いので気長にお待ちくださいませ
シロはシャッター越しにピノと会話しながらもどうにかしてシャッターを開ける方法が無いかを確かめる。
しかし、明らかに認証用のカードキーのようなものが必要そうなもの以外は特に何も見当たらない。PDAをかざしてみても開かないようだ。
シロはここを突破するのを諦めて別の道を探そうとしたとき、自分の後ろに誰かがいることに気がついた。
振り返るとそこには……
「ロッシーちゃん?」
そこにいるのはなんとエクストラゲームの標的であるロッシーと……更にはるか後ろに4人牛巻りこ、猫乃木もち、神楽すず、花京院ちえりがいた。
しかし、どうやらシロはロッシーに気をとられ、後ろの4人には気づいてないようだ。
ロッシーは、呆然としているシロが我に変える前にタックルをして吹き飛ばすとシャッターの前に立った。
ピピッガチャ
ロッシーは持っているカードキーをシャッターにかざす。
すると強固に閉じていたシャッターが徐々に空いていく。ロッシーはどうやらすず達4人から追いかけ回されており、シャッターのせいで袋小路となっていたこの通路から逃げるためにシャッターを開いたようだ。
「えっ?」
まだシャッター前にいたピノは急にシャッターが開き、驚いたような声を出す。
シャッターが開き、ピノ側の今の状態が明らかになっていく内にピノがシャッター前から動けなかった理由が分かった。
「あれ?いっぱいいる!これじゃあ攻撃されたとき銃の弾足りないなぁ……どうしようー」
二階に降りてすでに最後のチェックポイントを通過し終えた金剛いろはは銃を構えてピノよりも向こう側のところに立っていたのだ。
尻餅をついて倒れているシロ、まだどうしてシャッターが開いたのかが分かってないピノ、4人から逃げるためにシャッターを開いたロッシー、そしてロッシーを追い求めて走ってきてここまで辿り着いたりこ、もち、すず、ちえりの4人。既にこの階でのやることを終えている金剛いろは。
なんと二階にいる八人全てが
ここに集結していた。
Side:もこ田めめめ 一人称視点 一階【00:18:32】
このチームのラストはここ→>>138
まさかふたばちゃんがサブマスターだったなんて……!
急に気力が湧いてきた気がするふたばちゃんの秘密暴露はすごいのだらけでまだ頭の中で整理できていない。
とりあえず隠し階段の方向は頭の中に入れて現在はそちらに向かって歩いている。
「なに?めめちゃん?あまりの情報の多さにびっくりしちゃったの?双葉はめめめちゃんから暴露してもらった情報で混乱は全くしてないけどね」
「ふーちゃんに渡せるような情報が自分の解除条件だけのめめめと、色々情報を抱えてたふたばちゃんを一緒にしないでよー!」
よし、ふたばちゃんに教えてもらった情報を一旦頭の中で整理しよう。
まずふたばちゃんはサブマスター。
サブマスターはこのゲームの情報をいくつか知っており、ゲーム内で不測の事態が起きたときに対応するのと原作再現のために用意された役職。ランダムに13人の中から二人選ばれるみたいだけれどふたばちゃんはもう一人のサブマスターが誰だか知らないし、おそらくもう一人もふたばちゃんがサブマスターであることは知らない。
基本的にサブマスターはサブマスターであることを他の参加者に言ってはいけない。
ただし、どうしても言わなければならないような事態に陥った場合や他参加者から運営側だと疑われた場合は言っても可。
今の状況はその『どうしても言わなければならないような事態』に含まれるかどうかは分からないし、破ったときのペナルティーは何かは知らない。
サブマスターが事前に渡される情報は自らこのゲームから離脱する方法や運営と連絡を取る手段、マップの位置関係と隠し通路。そしてルールとルールに書かれていないいくつかの隠し仕様とか……らしい。
結構色んなことを事前に教えてもらっているようだけどエクストラゲームの内容とか誰がどの解除条件かまでは教えてもらっていないようで。
めめめは誰が危険な解除条件かを知りたかったんだけどなー
そうそう解除条件といえばふたばちゃんの解除条件を教えてもらった。
ふたばちゃんの解除条件は6。ジョーカーの5回使用らしい。
この解除条件なのにめめめやシロちゃんと一緒にすぐに上に行っちゃった理由もふたばちゃんは教えてくれた。
たしか実はジョーカーの位置はある程度決められていて、参加者が最初に眠っている隣の部屋にランダムにジョーカーのPDAが置かれるという仕様になっているからよほどランダムに選ばれた人の運が悪く無い限りジョーカーをすぐに手に入れることが出来るからわざわざ一階で探索をしてまでジョーカーを探す意味はほぼ無いから……だったかな。
他にも戦闘したって判定になる条件は殺意を持った状態で攻撃を仕様としたor本人が意図しているか意図していないかに関わらず、誰かが負傷する可能性があるような行動を取るが条件らしい。
つまり、戦闘禁止エリアで銃を構えて脅しても実際に引き金を引かない限り首輪は作動しないし、戦闘禁止エリアで料理に睡眠薬を混ぜても戦闘判定にはならないから眠ったところで戦闘禁止エリアの外まで引きずりだして外で殺すということも可能とのこと。
んー複雑。難しいけど殺そうとしたらアウト。脅しならセーフってことかな?ちえりーらんど送りにはなりたくないから気をつけないと。
さて隠しエリアについてだけどどうやらいくつか事前にサブマスターは場所を教えてもらっている通路や階段がいくつかあり、そこはなんとマップには載らず、各種探知系ソフトウェアにも映らないようだ。とはいえ誰でも見つけられる可能性はあるようにしているみたいだけれど。
というわけでめめめが向かっているのはここから一番近い一階から三階まで一気に行ける隠し階段なんだけれど……
「着いた!ここだね!」
脚が痛いから結構時間かかっちゃったけれどようやく着いた。
いや、18時間30分だから……結構余裕あるかな?とりあえずドアを開いた。
ガチャ
部屋を見た限りは普通の部屋だ。いや、違う。良く見ると一点、壁が崩れているように見える箇所がある。
「えっ?崩れているってことは誰かがもう使っているっていうことだよ!」
ふたばちゃんが少し焦ったような声で言う。
めめめは緊張してゆっくりになりながらも階段の状態が見える位置まで近づいた。
しかし、階段は今すぐに通れるような状態ではなかった。
「まきびし……ピノちゃんここも知っていたの?まさか……ピノちゃんがサブマスター?」
階段一段一段にびっしりとまきびしが撒いてあったのだ。
一度部屋から出て作戦会議をする。しかし、ふたばちゃんの顔は暗い、おそらくめめめの顔も似たような感じだろう。
「めめちゃん。まきびし撤去はできる?」
「出来るか出来ないかで言ったらたぶんできる……でもちょっとトラウマになっている上にあんなにびっしりだから時間は結構かかるかな」
「しかもあれのせいで他に何か仕込んであっても分かりにくいしね。爆弾とか」
ふたばちゃんにさっき聞いた話によるとこのゲームでは一階二階と上がっていく内に落ちている武器もどんどん強くなっていくらしい。
なかでも三階からは一気に武器が強くなっていって、二階の主な武器がナイフなのに対し、三階からは爆弾や銃が解放されていく。
つまりピノちゃんがそれを知っているサブマスターだったら先に三階に上がってそれを入手している可能性が高い。
この隠し階段は三階まで繋がっているし、入手しに行くだけなら簡単だ。
「それに……そもそもこの階段の上で待ちぶせている可能性もあるんだよね」
「かと言って今から他の階段に行くのも時間はきつい」
「うん」
「まあめめちゃんが双葉を置いていってくれるなら一人は助かるんだけど」
「めめめそれは絶対しないからね」
それは絶対しない。ふたばちゃんを絶対見捨てない。ゲームだろうと味方ならそのスタンスは絶対変えない。
「ともかく、この階段を登るか別の階段を探すか……どちらにせよ早く決めないとね」
どちらもリスクが高い二択
めめめ達は今、それをやらざるを得なくなっていた。
というわけで本日の更新はここまでです。
ここまで1に付き合ってくれている聡明な読者の皆様ならピンと来ていることだと思いますが、実は双葉ちゃんが登ろうとしていた隠し階段はイオリンが見つけた隠し階段と同じです。
ピノ様はイオリンとなとなとが作戦会議をしている様子を換気ダクトから聞いていたのでこの隠し階段を知っていて、一応のためにまきびしで埋めておいたのですね。それをやったせいでシロちゃんには追いつかれてしまいましたが
実はもう誰がジョーカー持ちとかは誰がどの解除番号とかはある程度既に目星がつけられるようにしています。
ヒントを挙げるなら……会話自体に注目。でしょうか
更新乙です
シロちゃんが9か?解除条件厳しいみたいだし、情報の不開示も警戒されない為に…とか
あとごんごんが強武器手に入れてて草
乙
ジョーカー持ちはなんとなく予測ついてるけどそれぞれ何の番号なのかははっきりしないかなあ
こうなるとちえりちゃんは遭遇判定大量入手チャンスになるね
シロちゃんは双葉ちゃんとめめめちゃんがあのままちえりーらんど送りになると困るのかな
9なら見殺しにした方が確実だし
現在の解除条件一覧(最新版)
A【ヤマトイオリ】…QのPDAの所有者を殺害する。手段は問わない。
2【八重沢なとり】…JOKERのPDAの破壊。このPDAのみ半径1m以内でJOKERの偽装機能は無効、初期化される。
3【???】…3名以上の殺害。ただし首輪の作動は含まない。
4【木曽あずき】…自分以外の首輪を3つ取得する。首を切り取っても、解除条件を満たし外すのを待つのも良い。
5【金剛いろは】…館全域の24個のチェックポイントを全て通過する。特殊効果として地図上にポイントの表示がされる。
6【北上双葉】…JOKERの偽装機能を5回以上使用。自分で使う必要も、近くで行う必要も無い。
7【花京院ちえり?】…開始から6時間目以降に全員と遭遇。死亡している場合は免除。
8【神楽すず】…自分のPDAの半径5m以内でPDAを5個破壊する。6個以上破壊した場合は首輪が作動する。
9【???】…自分以外の全参加者の死亡。手段は問わない。
10【カルロピノ】…首輪が5個作動すること。ただし2日と23時間より前に行うこと。
J【牛巻りこ?】…開始から24時間以上行動を共にした人間が2日と23時間時点で生存していること。
Q【猫乃木もち?】…2日と23時間の生存。
K【???】…PDAを5台以上収集する。手段は問わない。
JOKERの持ち主【???】
たま会長の候補が3か9(殺人の必要があるため)
シロちゃんの候補が3か9かK(7.J.Qもあり)
めめめの候補が3か9かK(7.J.Qもあり)
まとめるとこんな感じか?
殺すことに利益があるたまちゃんは3・9・Kのいずれか
シロちゃんはたまちゃんとめめめが死んでほしくないっぽいからKかJあとは自分で殺したい3、デコイにしたいってことでQも一応あるかも
めめめはふたばちゃんは味方って言っていて置いていけとは言っても殺せとはいっていないから3と9は無い。K・7・J・Qのどれかかな?
双葉ちゃんが善意とはいえあんなに情報を開示しているのにめめめちゃんはまだ解除条件を教えていない
ということでメタ推理になっちゃうけどKではなさそう
【速報】作者矛盾に気づく
>>132でめめめちゃんがピノ様に言われてルール6を読み上げるシーンがあるのですがよく考えたら>>50にある通りめめめちゃんはルール6を持っていませんでした。
なのでめめめちゃんはルール4とルール6をふーたんはルール5とルール8を持っていることに変更いたします。
ついでにそのときのピノ様のセリフも変なので
>>132冒頭のピノ様の「では続いてルールの侵入禁止エリアに関する項目を開いてください」というセリフを
「ではもしめめめお姉ちゃんが侵入禁止エリアに関するルールを知っているならばその内容を読み上げてください」に
めめめの「開いたよ。読み上げればいいの?」を
「そのルール持ってるよ。そのまま読み上げればいいの?」に変更いたします。
次の更新でついに死人(ちえりーらんどか総合病院行き)が出ます。二階の乱闘で死人が出るのか、一階で二人が死んでしまうのか。そもそも死ぬのは一人なのか二人なのか。
たぶん明日には投稿出来そうなのでお待ちください。
このSSはまとめOKなんですけどまとめてもらうならイオリンの最初の方のセリフミスも訂正した方が良いのかな……
ちえりーらんど送りから逃れたいだけか賞金狙いかによって行動も結構変わってくると思うけど今回賞金狙いの人いるんだろうか
>>186
あ、これ予想する上で重要そうなんでちゃんと言いますね
この段階ではまだ時間もそんなに経っていないので賞金狙いたい人もまだ様子見しています。なので賞金狙いで殺そうとする人は『まだ』いません。24時間経過した頃からそういう人も出てきますが、今の段階ではそこ考慮で予想しなくて大丈夫です。
敢えて言うならピノ様は殺さなくても達成可能な解除条件なのに殺しに動いているので賞金狙いと言ってもいいかもしれませんが。
イオリンについてはまとめてもらうときにわざわざ管理人さんに差し替えてもらうのも大変だと思うのでとりあえずやらないことにしました
あとルールや解除条件の細かい部分についてどのくらい把握しているかも今後の展開の鍵になりそうだな
現時点で一階組は(すぐには)死因ないように見えるし四人組はまだ動かなさそう、ジョーカーも動くには早いだろうし
残りの二階勢の乱闘が一番ありそうだけど三階も戦闘起こる可能性はあるね
いろいろ考えたけどやっぱり初の敗北者はピノ様予想武器ない(ダクトに隠してあったら別)し挟まれてるし
最初の6人は情報交換で把握
めめめコンビはサブマスターの情報で把握
たま会長のコンビはルールブックで把握
ごんごんもイオリンたちと情報交換して把握
今ルール抜けあるのはシロちゃんが【9】ピノ様が【5.8】かな?
めっちゃ考察進んでる……嬉しい……
Side:北上双葉 一人称視点 一階【00:18:40】
前回のこのチームのラスト→>>170
「さて、めめちゃん。さっさと決めなきゃいけないんだけど、この選択が命運を分けるからちゃんと考えよっか。まず双葉達はこれから二つの選択が出来るよね?」
双葉は今、廊下の壁に寄っ掛かった状態でめめちゃんとお菓子を食べながら会議中。
文面だけ見るとほんわかしてそうだけど実際は双葉もめめちゃんも血を流しているし、話している内容は死活内容だ。
「隠し階段のまきびしを撤去してそこから上がっていくのと、別の階段まで行くのだよね」
「うんうん。で隠し階段のメリットは確実に24時間経過までには2階に上がれること。デメリットは罠がしかけてあったり、誰かが待ち構えていたら確実に全滅すること」
「別の階段に行くメリットとデメリットは隠し階段のメリットデメリットの裏返しだよね」
「いや、別の階段に行くメリットはめめちゃんが双葉を置いていけばめめちゃんは確実に生き残れるっていうのもあるよ」
「却下」
くっ、めめちゃんに却下されてしまった……
ピピピピピピピピピピ
双葉のPDAが鳴り出す。この音はPDAが何かメッセージを受信したときに流れる音だ。
さっきのエクストラゲームの連絡のときは双葉とめめちゃん両方のPDAが鳴っていたから、エクストラゲームの通知ではない。
となると双葉のだけが鳴る理由は一つしか思い付かない。
そう、今鳴っているのは『サブマスター』の北上双葉宛て。
緊張しながらもPDAを開く、その画面に映っていたのは……
……赤ピーマンだった
『もしもし、お母さん』
第一声を聞いてPDAを粉砕してやろうかと思ったけどなんとか心を落ち着かせる。
「おい、ピーマン。双葉のことを次その呼び方で呼んだら【自主規制】するぞ?分かったか?というかそもそもあんた達を作ったのはクソインキャな園芸部じゃん?殺されたいの?」
あまりの怒りに言葉に熱がこもってしまう。つい園芸部のみんなも無駄に罵倒してしまった気がするけど……まあいいや。
『ごめんなさい双葉ちゃん。もう次からしないから許してよ。最近ピーマンくん再評価の動きとか出てたり、二次創作で可愛い妹とかが出来たりしてて調子に乗っちゃったんだ……てへぺろ』
「うるさい。叩き割ってやろーか?」
『ふぅん良いよ。首輪作動させられても良いならね。……関係ないけど隣にめめめちゃん居るよね?』
目の前のめめちゃんが一気に不安そうな顔で挙動不審になった。
そして双葉も、一気に、体が緊張した。
忘れてたけどコイツも運営側。双葉専属のスタッフって事前に言われた気がする。たしかもう一人のサブマスターは緑の方らしいけど……
ともかくコイツがやろうと思えば、スイッチ一つでちえりーらんど行き……!
『まぁまぁそんなに怒らないで。観客もいるからよほどの理由が無い限り、そんな横暴はボクの権限じゃ出来ないよ。……よほどの理由があれば別だけどね。例えば……約束破りとか』
サブマスター暴露のペナルティ……
めめちゃんがめめちゃん自身を責めるような顔をしてこちらを見ている。いや、双葉が決めて言ったんだからめめちゃんは全く関係がない。双葉が巻き込んだ側だし、足手まといになっているのも双葉だ。
なら、めめちゃんに被害が及ばない限りはなんでもしてやる
『そうそうサブマスター暴露のペナルティなんだけれどね。これで許してあげることになったから。なんと!次の行動の双葉ちゃん達の行動をアンケートで決めることにしました!これがペナルティです!』
「え?」
そう声を漏らしたのは双葉とめめちゃん両方だった。
もっと酷いのを想定していたから大分マシで安堵の声を漏らした。
『安堵しちゃっていいのー?これからアンケートを観客に取って、その結果で隠し階段か別の階段に行くかが決まっちゃうんだよー?命運を分けるとか自分で言っていなかったー?』
そうだった。この選択が命運を分ける。
お願い。良い方に転んで……!
メタ的なお話
今日はこのあといくつかの視点を投稿して終わります。皆さんは感想と一緒で良いのでふためめコンビの命運を分ける選択を選んでもらいます。
選択肢は
A隠し階段を進む
B別の階段の所に行く
です。ただし、他に案があれば提示してくださっても構いません。
基本はみなさんの投票を見て、多数決で決めるつもりです。
ですが話し合い可能なら話し合って決めてくださっても構いません。
結果が出たなとこっちが判断したタイミングで早ければ明日、その結果に基づいた三章ラストを投稿させていただきます。
今日の残りの視点の分は8時くらいの投稿を予定しているのでそれが来る前に投票してくださっても構いません。
更新乙です
ゴンゴンがイオリンに教えてもらった隠し階段で二階にいったらピノ様と遭遇したんだよね?…たしか
今二階に行ったら巻き込まれそうだし自分は【B】かな
うーん…【A】かな
単純に二人の生存確率が上がるっていう点でこっち。【B】だとタイムオーバーの予感。
ピノ様が脅しに使ったのは手榴弾だし、設置する系爆弾は持っていなそう
待ち伏せはタイミング的にあり得なそうだし、 バッタリ出会うとしてもピノ様、ゴンゴン、あと牛巻も知っているかな?確実に敵対するのは1人だけだしそんな運悪いってことは無いでしょ(フラグ)
バトル描写苦手なんであっさり済ませます
許して
Side:ロッシー 三人称視点 二階【00:18:18】
前回はこちら→>>166
この状態で最も早く動いたのはロッシーだった。
ロッシーは何かを取り出すと4人組がいる方に投げとばした。
そしていろはの方に走る。4人組から逃げることを優先した結果だろう。
「攻撃して来るのか!まあ当たり前ですよね!」
他の3人よりも早く飛び出していたすずは投げられたボールのようなものを回避しそのままダッシュする。
その背後でボールが地面落ち、何かが割れるような音がした。
シュゥゥゥゥ……
「これって煙玉!?」
すずより遅れた三人は煙玉で足を止める。目の前にはナイフをもったシロ、脚を怪我しているように見えるピノ、煙玉を持っていたロッシー、そして銃を構えたいろはがいる。
明らかに突入したら攻撃されるのは間違いない。視界が悪い中、彼女達が戦っている場に行きたいと思う者はそういないだろうし、そもそもすずを除く三人は自分から戦闘して利益がある解除条件ではない。しなくても良い戦闘を行いたいと思う人間など戦闘狂だけだろう。
ロッシーの投げた煙玉の勢いは強く、すぐさま煙で廊下は充満しようとしていた。
ロッシーを狙おうとする者は三人いた。
すず、シロ、そしていろはの三人だった。
最初に攻撃したのはいろはである。
パン
いろははロッシーに向かって後退しながら射撃をした。
しかし、ロッシーには当たらず……
ロッシーの後ろでナイフを構えていたシロの左腕にヒットする。
「いてっ!」
シロは堪らず動きを止めた。シロを追い越したのはすずだ。
いろはは後退しながらも牽制なのか更にすずに向かって一発撃つが誰にも当たらない。
「そんなチマチマ撃っててもね、当たらないんですよ、私には」
すずは更に突撃する。その向こう見ずな姿に、解除条件的に戦闘するのは旨味がないいろはも流石にたじろいだ。
一方、ロッシーはいろはの銃に驚き、警戒をしているのか動きを止めている。
すずはいろはもロッシーも動きを止めているこの状況をチャンスと見て、ロッシーに向かって自分が唯一持っている武器であるカナズチを構えた。
「お前をシェイクにしてやる!」
ロッシーは降り下ろされたカナズチを何とか回避した。
それを見ていろはは戦闘する旨味はない上にこのまま何もしなければ自分が攻撃されることは無いのではないかと気がついた。
いろはは煙幕を背に駆け出す。
背後は既に煙は充満し、廊下の先はほとんど見えなくなっている。
そして、爆発音すら聞こえてきた。
爆発音を聞いたいろはは危機感から走る速度を更に上げて逃げ出した。
一方、見えなくなっていた煙の中では更なる大混乱が沸き起こっていた。
その原因は爆発音。誰にも爆発によるダメージはなかったようだが、爆発と煙幕の結果、それぞれがバラバラな行動を取りはじめる。
爆発がわざと自分達から離れたところで起こったということにも、この真意にも気づかずに。
逃げ出す者、逃げ出した者に対して追撃をかけようとする者、動かずにじっとその場に留まる者。
多種多様の動きを彼女達は見せた。
誰かが怪我したのか小さな悲鳴が上がる。しかし、煙の中でそれが誰だか判別することは叶わない。
複数の足音が煙の中心から別々に離れていく。
煙がはれ、廊下に残っていたのは……
「あれ?みんなは?」
辺りに血が散らばる中、残っていたのは牛巻と……
「りこお姉ちゃん。わたくしもいますわよ」
片腕をおさえて立っているピノだけだった。
「うわっ!ピノちー!?その怪我は!?」
ピノはりこの目の前では一切誰かに攻撃する姿を見せていなかったので、牛巻はあまりピノのことを警戒していないようだ。
「あーこれですか?……シロお姉ちゃんですわ。煙の中走ってきてすれ違いざまにぐさり。です。腕でガードしたのでちえりーらんど送りは防げましたがね。ところでりこお姉ちゃんは弱っていてちょうど良いわたくしを殺す気はありますの?」
いかにも無害な存在であるように言っているが、ピノは手榴弾を始めとしたいくつかの武器を換気ダクトの出口に隠しておいていた。
しかし、大きな物はシロとの追いかけっこの最中に邪魔になって投げ捨てたので、今はバッグの中に入るような小さな武器だけ。そのためりこは少なくとも表面上は警戒していないように見える。
「殺す気なんて無いよ!ピノちーが納得するようにちゃんと理由を言うと思わぬ反撃が怖いし、メリットも無いからね!」
ピノはりこの言っていることに納得したらしい。ピノは牛巻に背を向けて廊下を歩き出す。
牛巻は宣言通りピノを追撃することなく、そのまま廊下に残っていた。
「うーん。みんなとはぐれちゃったなぁ……これからどうしようかな」
Side:猫乃木もち 一人称視点 二階【00:18:35】
ふぅー煙玉びっくりしたー
まさかロッシーちゃんが反撃してくるとはね、てっきり動画での話だと無害だと思ってたんだけど……
私は今、長い廊下の端の方にいる。とりあえず煙幕にいるのはまずいと思ったからごんごんが行かなかった方向に、つまり私達が来た道を引き返した。
うーん迷子になっちゃったなーせめて一人くらいは合流したいんだけど。
にゃんこは寂しがりやなんだぞー!
ん?
何かこの長い廊下の私がいる方じゃない端を通りすぎるシルエットが見えた気がした。けれどすぐに見えなくなった。うーん何だろう。分からなかったな……
この廊下めちゃくちゃ長いからなー
するとすぐに同じように通りすぎるシルエットが見えた。
うん。今度は誰が通り過ぎたかわかった。分かったけれど……
「すずちん速いよ!置いてかないで!」
こんな長い廊下の端から端に行くのに時間がかかる上にあんなスピードで爆走しているんじゃ追いつけないよ!
ていうか最初に見たシルエットってもしかしてすずちんが追っているってことはロッシーちゃん?
ジョーカーは基本的に偽装しているPDAの解除条件に関する特殊効果もきちんと表示されます。(例:5のチェックポイント表示機能)
Side:花京院ちえり 一人称視点 二階【00:18:35】
ちえりだよ(現在迷子)
7のPDA
解除条件
開始から6時間目以降に全員と遭遇。
死亡している場合は免除。
現在遭遇人数……7人
ちえりはもう確認し終えた解除条件を閉じて、視線を廊下の方に戻した。
ちえりは煙の最中、たしかいろはちゃんが行った方向に進んだはず……そしてすぐある分かれ道をたしか左に進んで……
せっかくだし、探索でもしようかな。
そう考えて最寄りのドアを探そうとして、あることに気づいて足を止める。
あれなんか近くで声が聞こえるな……?
『ここは戦闘禁止エリアです』
……これりこちゃんが実験って言って私達が休んでいたところで鳴らした声と同じだ。
っていうことはつまり誰かが戦闘禁止エリアに入ったってこと。それもすぐ近くで。
……どうしよう。行くべきか行かないべきか
行ったときのメリットは入った誰かがすずちゃん、りこぴん、もちちゃんだったら合流できることと、戦闘禁止エリアという安全な場所に行けること。
デメリットは三人以外だったら襲われる可能性があること。戦闘禁止エリアの中なら問題ないけど、戦闘をしていた二人の内片方が戦闘禁止エリアに逃げこんで……っていうパターンだったら戦闘禁止エリアに入る前に襲われる可能性が非常に高い。
うーん……
私はちょっと考えた後に戦闘禁止エリアの方には行かず、引き返すことにした。
本日はこれで終了です
戦闘描写って戦闘をリアルに書くなら回避回避回避!ってことにならない限りそんなに長引かないと思うんですよね
というわけであっさり書いちゃうので戦闘描写苦手です。おい、デスゲーム書いてるのにそれで良いのか?
アンケートについてなのですが書きたい展開が多すぎてプロットが途中で分裂しちゃったのでじゃあ読者様に決めてもらおうかなっていうやつです。
今殺すことを明確に考えてるのは
たま会長、ピノ様の2人
たま会長は今3階だし、ピノ様も怪我してる上に強力な武器持ってないみたいだし【A】で問題なさそうかな…
投下乙!
牛巻ピノ様のシーンが若干不穏ですねぇ…
こういうデスゲームものって所謂「かませ犬ポジション」が定番だと思うけど、それを無しにここまで話を書けるのはすげーなぁ
>>1って結構SS歴みたいなの長い感じ?
>>210
SS書き自体は数年前からやってたけれど誰にも見せないもので、本当に書いてネットに投稿しはじめたのはほんとここ1年ですかね
その分SSやなろう、やる夫スレとかをずっと読んで、小説ではない二次創作やSSの書き方を勉強してから書いたのと、TRPGが趣味なのが大きいかもしれません。
だからみなさんのコメント一言一言がとても嬉しいです
ちなみにこのスレで他に書いたのは
これとかhttp://vt-bbs.com/index.cgi?read=301&ukey=0
これですねhttps://vt-bbs.com/index.cgi?read=361&ukey=0
>>211
おお親分の奴もそうだったんか。それ好きだぜ
いつかそのうち休止中の奴も再開してほしいな
>>213
【キズナアイがいない世界】はあの炎上の件と被る内容があってプロット変更しようと思ったんですがプロット変更に難航して放置してます。
できれば再開したいんですけれどね
これから三章終わりを投稿しますがかなりルールが重要なので再掲します
▼ルール1
参加者には特別製の首輪が付けられている。それぞれのPDAに書かれた状態で首輪のコネクタにPDAを読み込ませれば外す事ができる。条件を満たさない状況でPDAを読み込ませると首輪が作動し、15秒間警告を発した後、着用者を【死亡判定】にする。【死亡判定】を行ったあと首輪は消滅する。
一度作動した首輪を止める方法は存在しない。
▼ルール2
このゲームは本来の体ではないアバターを使って行われている。アバターが傷つき現実なら死んでいるような状態になったや首輪が作動したとき【死亡判定】となり、強制ログアウトが行われる。ログアウトした者は敗北となる。
ログアウトした瞬間アバターは等身大のマネキンに変化する。持っていたものは作動済みの首輪を除き、基本的にそのまま残る。
▼ルール3
参加者には1〜10のルールが5つずつ教えられる。与えられる情報はルール1〜3と、残りの4〜10から2つずつ。およそ5、6人でルールを持ち寄れば全てのルールが判明する。
▼ルール4
PDAは全部で13台存在する。13台にはそれぞれ異なる解除条件が書き込まれており、ゲーム開始時に参加者に1台ずつ配られている。この時のPDAに書かれているものが、ルール1で言う条件にあたる。他人のカードを奪っても良いが、そのカードに書かれた条件で首輪を外すのは不可能で、読み込ませると首輪が作動し着用者は敗北する。あくまで初期に配布されたもので実行されなければならない。
▼ルール5
最初に配られる通常の13台のPDAに加えて1台ジョーカーが存在している。これは、通常のPDAとは別に1階のどこかに置かれている。ジョーカーはいわゆるワイルドカードで、トランプのカードをほかの13種のカード全てとそっくりに偽装する機能を持っている。制限時間などは無く、何度でも別のカードに変えることが可能だが、一度使うと1時間絵柄を変えることができない。さらにこのPDAでコネクトして判定をすり抜けることはできず、また、解除条件にPDAの収集や破壊があった場合にもこのPDAでは条件を満たすことができない。
▼ルール6
侵入禁止エリアが存在する。初期では屋外のみ。進入禁止エリアに侵入すると首輪が警告を発し、その警告を無視すると首輪が作動し強制ログアウトが行われる。また、2日目になると侵入禁止エリアが1階から上のフロアに向かって広がり始め、最終的には館の全域が侵入禁止エリアとなる。
▼ルール7
開始から3日間と1時間(73時間)が過ぎた時点で生存している人間を全て勝利者とし、20億電脳ペリカの賞金を山分けする。ゲーム終了後電脳ペリカで購入可能なショップをオープンする。
逆に強制ログアウトした者はちえりーらんどかカルロ総合病院での無償労働14日間の罰が与えられる。
▼ルール8
指定された戦闘禁止エリアの中で誰かを攻撃した場合、首輪が作動する。
▼ルール9
開始から6時間以内は全域を戦闘禁止エリアとする。違反した場合、首輪が作動する。正当防衛は除外。
今まで投下した分を読んでて、双葉ちゃんはもう少し子供っぽい喋り方だなって思いました。
というか全部ひらがなにしようかな……
それアイドル部のSSである必要ある?って言われるんじゃないかとビクビクしながら書いているのでせめて他のキャラもですけど口調は絶対合わせないとって思いながら書いています
Side:北上双葉 三人称視点 一階【00:18:47】
双葉とめめめはまだ廊下にいた。
その理由は簡単でまだ、アンケートの集計が終わってないため身動きか取れないのだ。
それぞれ自分が望むアンケート結果になることを願いながら、ピーマンを待っている。
ピピピピピ
双葉のPDAから音が鳴り響く。
双葉は手の平はまだだいぶ痛いものの、軽傷だったためすでに痛みが引いてきた腕と指を動かしてPDAの画面を開いた。
そこに表示されていたのは……忌々しくも待ちわびていたピーマンだった。
『はい!集計が終わりました!』
画面の中にいる赤ピーマンが言った。
その様子を双葉とめめめは不安そうな顔で見ている。
『双葉ちゃん、めめめちゃん。君達は……隠し階段で上に上がるのを目指してください!』
「良かったー!こっちだ!」めめめが喜んで言った。
それに対して双葉はため息を付く。
「あーあ。別の階段から行くんならめめちゃんだけでもかくじつだったのに」
めめめはその言葉を聞いて何か言おうとして……それを止めた。
「とりあえず撤去作業だぁ!ふたばちゃん腕はもう動かせるんだっけ?」
「うん。まだいたいけど。ちょっとなら」
双葉はガッツポーズを取って、腕をアピールした。
ガチャ
めめめが隠し階段がある部屋のドアを開ける。
二人はまきびしの撤去作業をはじめた。
Side:カルロ・ピノ 一人称視点 二階【00:18:35】
りこお姉ちゃんと別れたあと、わたくしは一旦換気ダクトの中に身を隠していた。
この換気ダクトはシロお姉ちゃんに見つけられてしまったものとは別のルートの物なのでそう簡単には見つからないはず。
それに換気ダクトに入るために鉄網を外さなければならないので、入ってくる音は普通の換気ダクトよりは広いこの空間といえど、音が響くため対処もできる。
わたくしは自分の目の前に今の持ち物全てをぶちまけている。
わたくしが現在持っているのは、まず命と同等の価値を持つPDA。これが壊れたら首輪が解除できないですからね。その中に入っているのは、今も使わせてもらっている超便利ツールの『換気ダクトの見取り図』と『罠探知機能』
そしてPDA以外にも目を向けると、さっき脅しにも使った手榴弾が三つ。それと誰かが脱落して入れ替わったマネキンと遭遇したときに、マネキンの頭部を破壊して首輪を手に入れるためのハンマー。あとは携帯食料が少し。
リュックサックとか大きな手提げバッグを持っていた他のお姉ちゃん方とは違ってわたくしはポーチしか見つけられなかったから。見つけた他の武器はシロお姉ちゃんに追い回されている間に棄ててしまった。
これでシロお姉ちゃんを倒せるでしょうか?もうあの二人を狙わないと言ってもたぶんシロお姉ちゃんは信じないでしょう。きっとまた狙いに来ます。
ここまで執拗に狙うということは解除条件が絡んできそうですが、何かは情報が無さすぎてわかりませんわ……
普通に考えるなら同行者が死んでほしくない解除条件ということで長い時間一緒にいた相手が死なないのが解除条件のJでしょうか?
首輪やPDAを集める条件の可能性がありますがわたくしが10ですので、あるとしたら4、8、K……。
相手が4ならわたくしが首輪をわざと発動させないで、相手に預けるという条件で交渉することは……可能でしょうね。わたくしの解除条件は解除済みで外れた首輪や死体の首輪をわざと発動させても大丈夫でしょうし。見えている4となら協力はできる。
……一応考慮に入れときましょうか。
さて、気になるのは煙幕の中、シロお姉ちゃんがナイフで刺すだけで逃げた理由ですが……おそらく三つの理由が考えられますね。
一つ目は煙の中に長居して流れ弾で死ぬのを防ぐため。
二つ目は結構深く刺したので致命傷ではなくてもかなりとダメージだと思ったから……実際はわたくしは腕で身体を庇ったのでそこまでではありませんでしたが。
そして三つ目は……シロお姉ちゃん自身、怪我をしているからでしょう。
なのでおそらくシロお姉ちゃんは現在休憩中。だから狙うなら今しかありません。
シロお姉ちゃんはおそらく双葉お姉ちゃんとめめめお姉ちゃんと合流するまでわたくしを追い回し続けます。
……運が悪ければ、いや、かなりの確率でわたくしは狙われ続けたら
ちえりーらんど送り。
身震いする。
なら、わたくしはシロお姉ちゃんを殺しに行かなければなりません。
でも、この武器でどうしましょう。
とりあえず武器を探すべき?
わたくしがそんなことを考えていると、遠くから声が聴こえてきた。
……これは録音された声?それともソフトウェアの効果でしょうか?それともこの施設に備え付けられた何かかも?
少し考えたあと、わたくしはその声が聴こえてくる方へと匍匐前進をはじめた。
少し経って目的地に到着した。廊下の天井の換気ダクトにいたわたくしは金網を外したあと、降りて着地した。
えっと……こっちでしょうか?たぶんこの辺だと思うのですが……
とりあえずわたくしは忍び歩きで最寄りのドアに近づいた。すると
『この部屋は戦闘禁止エリアです』
どこからか声が流れ始めた。さっき聞こえたのはこれ。この音はスピーカーでしょうか?
わたくしがドアの前に立って鳴ったということはつまり……高確率でこの部屋に中に誰かいる。
「誰?」
部屋の中から録音された声と被って誰かがわたくしに問いかけてきた。
この声は……
シロお姉ちゃんですわ!
ガチャ!
わたくしは手榴弾を手に持って、勢いよくドアを開ける。
部屋の中にはシロお姉ちゃんだけが居た。
シロお姉ちゃんは一瞬の困惑のあと、驚きの顔に変わる。
「ここは戦闘禁止エリアだよ!」
シロお姉ちゃんが大声で言った。
……戦闘禁止エリア?今の流れたアナウンスみたいなのでも言ってたけれど何だ?
まぁいいや
わたくしは特に何も深く考えずに手榴弾を投げ込んでしまった。
すぐにわたくしはドアから離れる。
バン!
手榴弾が爆発する音がきこえていた。
一度も試していないのでどのタイミングで爆発するか分からなくて不安でしたが、早めに爆発してくれて助かりましたわ。
わたくしはドアを首だけ出して覗きこむ。
そこにはシロお姉ちゃんがいた。凄い目で睨んでこっちを見ている。
どうやら部屋にあったベッドの裏に隠れることで何とか爆発をしのいだらしい。
ですが、もうベッドは爆発を受けてボロボロですし、もう一、二発投げ込めば確殺ですわ!
「なんでシロのこと攻撃してるの!戦闘禁止エリアだよ!」
とまたシロお姉ちゃんが言う。
わたくしルールを持っていないので分かりませんが、首輪が作動する様子もありませんし、シロお姉ちゃんが言うペナルティが本当にあるのならペナルティはわたくしが知らないような何かなのでしょうか?
……まぁ死なないペナルティなら別に良いですし、シロお姉ちゃんがそもそも嘘をついている可能性もにります。
それに、もう既にペナルティを食らっているならもう一発やっても同じことでしょう。
というわけでもう一発手榴弾を部屋に投げこんで
わたくしはドアから離れた。
Side:電脳少女シロ 一人称視点 二階【00:18:46】
まさかピノちゃんがここまで話の通じない頭ゴンゴンだとは思っていなかった……
爆発を何とか防いだシロはピノちゃんを何とか説得しようとしたけれど、全然聞いてくれない。
……そもそも何でペナルティが発生してないの?首輪が作動するはずじゃ。この世界がプログラムである以上、誤差なんてないし、観客がいるだろうからすぐさま対応してピノちゃんを止めるはず。なら、何故?
……もしかしてそもそもピノちゃんはペナルティを破っていない?
ルールの文を思い出す。めめめとふたふたのルールの全文を書き写したメモは持っているけれど今すぐ取り出すことは出来ない。たしか『戦闘禁止エリア内で誰かを攻撃したとき、首輪が作動する。』みたいな感じだったはず。
……あ。もしかしてピノちゃんは戦闘禁止エリアの外から攻撃しているから大丈夫なの?
とか色々考えている内にピノちゃんが手榴弾をもう一発投げてくる。なーんかこの手榴弾リアルのやつより威力が高いんだよなぁー。……投げ返そうか。
パシッ
投げ飛ばされた手榴弾をキャッチする。
そして私は思いっきり手榴弾をドアの外へと投げた。
投げてしまった。
その直後、私はとんでもないミスをしてしまったことに気がつく。
ピー!ピー!ピー!ピー!
私の首元から鳴る耳障りな機械音によって。
『電脳少女シロ様、あなたは【戦闘禁止エリア】で戦闘行為を行いました』
『ルール違反の罰則により、15秒後に首輪が作動します』
え?
……あぁ、なるほど。爆弾投げ返したの戦闘行為になるんだ。外からの攻撃は自由だけど中から外への攻撃はアウトなんだねぇ。
さっきルールについて考えていたおかげでなんとかすぐに冷静さを取り戻すことができた。もう色々遅いけど。
……正直ルールに突っ込みたいところはありますけどぉーなっちゃったものは仕方ないから別にいーですよ!ぷん!
まあそれより残った15秒をどうするか考えないと。
ピノちゃんを道連れは……無理だね。ドアの外に手榴弾投げ返しちゃったから自分がピノちゃんを道連れにしようと部屋から出たタイミングでドカン!だろうし。
じゃあせめて情報を消そうかな。ピノちゃんにあげないように。
自分のバッグからルールをメモした紙や色んなメモを取り出す。
……やっぱりやーめた。
「ピノちゃーん!シロちゃんに勝ったピノちゃんにはプレゼントをあげまーす!シロの知ってる情報がたくさん書かれたメモでーす」
『残り10秒。カウントダウンを開始します』
「その代わりお願いがあるんだけど、もし出来たらなるべくめめめとふたふたは見逃して欲しいなぁ。真剣勝負なのは分かっているから、できたらで良いからね!」
そう言いながらふたふたとめめめに関するメモだけを粉々に破り捨てる。
カウントは残り7を読み上げていた。手榴弾が爆発する音が聞こえる。
ピノちゃんからの返事は無い。まぁ自己満足だしね。
それよりも時間余っちゃったな……そうだ。これたぶん生配信でやってるんだろうし、観ている皆にもお礼言っておこうか。
私は体を監視カメラの方へと向けた。
「観ている皆さん!シロを応援してたのにシロ負けちゃってごめんなさい。……そしてシロを応援してなかったみんなは分かってるよねぇ〜?暗い夜道には気をつけてねぇ〜?」
3
2
1
「じゃあ、ばいば〜い!」
0
【電脳少女シロ】脱落
Side:カルロ・ピノ 一人称視点 二階【00:18:51】
カウントが終わった。正直、わたくしは今めちゃくちゃ混乱している。
頭の中には疑問符だらけだ。
シロお姉ちゃんはわたくしにも視聴者の皆さんにもメッセージ送れるくらい冷静だったみたいですが、シロお姉ちゃんだって何に引っかかったのかはわかりませんがペナルティは想定外だったはず。わたくしだったらあんな冷静になることは出来ませんわ。
わたくしシロお姉ちゃんの言葉に何も返せませんでしたし……
とりあえず部屋に入る。
あ、本当にマネキンになってる。
部屋の真ん中にはシロお姉ちゃんの服を着たマネキンが置かれて……置き換わっていた。
そしてそのマネキンの正面に置かれていたのは何枚かのメモと重石がわりになっているPDAだった。
まずメモの重石がわりになっていたPDAに目を向ける。調べるのは勿論解除条件だ。
シロお姉ちゃんの解除条件は……Kでしたか。
それでめめめお姉ちゃんや双葉お姉ちゃんを助けようとしていたり、わたくしを狙っていたのに一度だけわたくしを狙わずにロッシーちゃんを狙ったのですね。
理解しましたわ。
とりあえずPDAを見るのは一旦やめましょう。
シロお姉ちゃんのプレゼントのメモの確認もしたいですし。
拾い上げて一番上のメモを読む。
どうやらここにはシロお姉ちゃんが知っているルールが書かれているようだ。
さて、わたくしが知らないルールを見ましょうか。
ルール5はジョーカーについて。興味深いけれどざっと目を通した感じ今回シロお姉ちゃんが死んだ原因とは関係ないので飛ばす。そしてルール8は……これですわね。どれどれ……
▼ルール8
指定された戦闘禁止エリアの中で誰かを攻撃した場合、首輪が作動する。
なるほど戦闘禁止エリアの中で戦闘になったらデスペナルティだったのですね。それは重いペナルティですわ。
わたくしは戦闘禁止エリアの外から中を攻撃したのでペナルティは発生せず、逆にシロお姉ちゃんは戦闘禁止エリアの中ですでにピンを抜いた手榴弾を人に投げるという攻撃を行ったのでペナルティが発生したと。
……これ実は戦闘禁止エリアって自ら自分を反撃できない場所に置くっていう運営の罠なのでは?
総括いたしましょうか。
これはルールを知らなかったために戦闘禁止エリアで戦闘は出来ないという先入観が無かったおかげでわたくしが勝ち。
ルールを知っていたために戦闘禁止エリアが安全だという感覚が抜けきれなかったシロお姉ちゃんが負けた。
という感じですわね。
「ルールを知らなかったことが優位にはたらくなんて誰も予想しなかったでしょうね」
わたくしは独り言を呟いた。
わたくしの解除条件も一人達成し、残りは4人。
こんなラッキーパンチは今回だけでしょうが……頑張って行きましょう。
わたくしはしばらく、この安全で危険な戦闘禁止エリアでシロお姉ちゃんから譲り受けた情報やソフトウェアを確認しながら休憩した。
時間にご注意ください。
Side:金剛いろは 一人称視点 二階【00:20:49】
「はーっ!やっと着いたー」
私は今目的地の部屋のドアの前にいる。マップめっちゃ分かりづらいからさー道に迷ってついこんな時間になっちゃった。
二階のチェックポイント全て回れたし、隠し階段で三階に上がろう。
部屋に入る前にPDAを点ける。起動するのは【首輪サーチ機能】
さっきはこれで確認しないで歩いていたせいで戦闘に遭遇してしまった。
ちゃんとこれを見ていれば避けられたのに……銃の弾も減らしちゃった。
というかあの戦闘たぶん私、銃撃たなくても逃げられたよね?……まぁ生き残れたからよしとしよう。
PDAのマップを開く。この周辺、そして隠し階段を上がった先の三階にも首輪の反応が無いのを確認した。
じゃあ入ろうかな。
ガチャ
「えっ?」
この声は私が出した声じゃない。
出したのは隠し階段なぜかにいる……二人。私が部屋に入ってきて驚いたんだろう。
「何で……ここに人がいるの?」
私は銃を構える。
隠し階段にいたのは……
ふーさんとめめめちゃんだった。
すずすずはほとんど実際言ったことがある語録を言っています。どの台詞がどの配信の台詞か当ててみよう!
Side:神楽すず 三人称視点 二階【00:19:41】
現在、神楽すずはロッシーを袋小路に追い詰めていた。
「すずおねえちゃん。しろはすずおねえちゃんのことが好きなのにこうげきするの?」
ロッシーは後退りしながらナイフを構える。
「好きとか言ってナイフ向けてくる!全くもーそういうこと言うんじゃ……天国へ導いてあげましょうか」
「すずおねえちゃんがこうげきしてくるのってもしかして……しろがすずおねえちゃんよりもかわいいから?」
「……駆逐の時間だあああああ!」すずが突撃した。手にはトンカチを持っている。
ロッシーはナイフをすずが自分の間合いに入ってきたタイミングですずに向かって振りかぶった。
「殴ることでしか抵抗できない!」
すずは自分に近づいてくるナイフを強引にトンカチで叩き落とすことで斬られるのを防いだ。
「奇跡的に避けました……」
すずは冷や汗をかきながらもトンカチをロッシーに振り下ろす。
ロッシーはそれを前方に跳んで回避し、そのまますずに突進した。ロッシーはすずごと床に倒れる。
バタン
「グハッ……大丈夫ダメージ入ってない」
すずは思わぬ衝撃を食らったが、あまりダメージが無かったようだ。
すずはナイフを拾って逃げようとするロッシーの腕を掴んだ。
「死ね!…私は死にたくない!」
すずはロッシーを自分の方におもいっきり引っ張り、トンカチを振り下ろした。
数分後、すずが戦っていた袋小路にもちがやって来た。
「あっ!すずちん居た!良かった〜大丈夫だった?」
もちは立っていたすずに話しかけた。
すずはPDAを二つ―すずのPDAとロッシーが持っていた予備のPDAを両手にそれぞれ持っていた。
「あっ、もちさん。後ろ血まみれじゃないですか?大丈夫ですか?怖くて振り返れない」
すずはもちに話しかける。もちはすずの話していることにピンと来ていない様子だ。
「えーっとすずちん?後ろちょっと血が飛び散っているだけで何も無いけれど?」
「えっ?」
すずはあっさりと後ろを振り返った。もちの言う通り、後ろには少々の血が飛び散っているだけで何も無かった。
実を言うと今回登場したロッシーは電脳空間の更に中に作られたシークレットゲームの世界で作られた偽物のプログラムだ。
電脳空間からシークレットゲームの世界にアバターを作ってその中に意識だけ移しているシロやアイドル部とは違い、意識すら本物ではないプログラムだ。
HPが0になったら消滅するとプログラムされていたためにロッシーはマネキンすら残らずに消滅したのである。
そんなことを露知らず、すずはもちに戦闘の経緯結果を詳しく教えた。
「すずちんって人殺したことない?妙に動きがこなれてる気がするんだけれど」
すずの話を全て聞いたもちはこう評した。流石にいくら冗談とわかっているとはいえ、思うところがあったのかすずは反論する。
「私本当に人殺してないですよ?'たぶんどのゲームでも人殺してないと思います'」
「それは嘘」
「んんー!」
もちに即否定されてしまったすずは声にならない声をあげる。
「…人を殺めてしまった。法律ってやっぱり私たちを守ってくれてるんですよ」
「……案外それが真理かもねぇ」
もちはそんなことを言いながらPDAのソフトウェアを開く。
「あ、残り生存者数表示ですか?」
このソフトウェアは4人全員がいるときにもちが見つけたものだ。特に誰からも異論が無かったのでそのままもちのPDAにインストールしていた。
もちは今、それを開いている。
「そうそう……あれ?残り生存者数が11人になってる。さっき見たときは12人だったのに」
「11人ってことはあの戦闘でバラバラになってから二人死んだってことですね」
「そうそう……」
もちが相槌を打ちながら自分のバッグを探り始めた。そのとき
「見つけた!二人ともー!大変なことが!」
ちえりが二人の元に駆けこんで来たのだ。
Side:??? 三人称視点 二階【00:19:28】
りこは手を振りながら歩いていた。どうやらりこから少し離れたところに立っている???に気がついたようだ。
???もりこに気づいたようで……片手を伸ばして手を振り返す。
「いやーさっきぶりだねぇ……???」
りこは特に警戒することなく???に近づきながら話しかける。
???との距離が残り数メートルになったときにりこは何かに気がついたのか立ち止まった。
視線の先にあったのは手を振っていない方の腕。よく見るとそちらの手だけが肩に掛けたバッグの背後に隠れていた。
不自然なくらい、その腕は動いていない。
りこは表情を変えずに後ろに下がった。
だが、それは少し遅かったようだ。
バーン
りこの肩を銃弾を撃ち抜いた。
???がバッグの後ろに隠していた手で隠し持っていた拳銃をりこが逃げる前に撃ったのだ。
りこは事前に怪しいと気付き、逃げる準備を整えていたために何とか致命傷になりそうなところに当たるのを防ぐことはできた。
りこの顔が銃弾の痛みで苦悶の表情を一瞬だけして……痛覚軽減機能が働いたのか表情を元に戻す。
りこは撃たれたあと、すぐさま後ろを振り向いて???から逃げ出すように走り出した。
???はすぐに銃を構え直して発砲する。
その銃弾はりこの脚に命中した。
りこは一瞬よろめくがすぐに体勢を整えて痛みを押し切ってダッシュで逃げ出した。
???はりこを追うが、りこの足は怪我しているのに関わらず速く。やがて見失ってしまった。
しかし、???はりこを殺すことを決して諦めてはいなかった。
何故なら、りこの肩や脚からはずっと血が流れ続けており、彼女が通ったところに血が飛び散っていたからだ。
更に念には念を入れる気なのか???はPDAのソフトウェアを開いた。
そのソフトウェアの名前は【PDA探知機能】
PDAがマップに表示されるといったものだった。
一方???から逃げ出したりこは適当な部屋に逃げ込んだ。
「あっちゃー……油断したなぁ。これもう駄目かもねー……どうしようかな」
りこはドアを背にして座りこんでPDAを開く。
そして彼女は何度も特定のソフトウェアを開いたり、閉じたりを繰り返した。
するとPDAの表示が変わる。
≪隠しコマンドの入力を確認しました。隠しソフトウェア『メモ帳』を起動します≫
りこはメモ帳に何かを書きはじめた。
どうやら自分が脱落したときのための……誰か宛のメッセージのようだ。
どうやらりこは再び???に狙われて自分が死ぬと考えているようだ。誰かにいくつかの自分だけが知っている情報を書き出して……
りこは書き終えたのかPDAの表示を元に戻す。
「まぁ、頑張って逃げますかね。残業はもうこりごりだよ」
そしてりこは部屋を出た。
その数分後、りこは予感通り???に再び出会ってしまい……
凶弾に倒れた。
【牛巻りこ】脱落
Side:神楽すず 三人称視点 二階【00:20:01】
「ここ!この辺!」
ちえりはすずともちを先導して走っていた。廊下には誰かの血が飛び散っており、それを目印に目的地まで走っているようだ。
「!!!」
ちえりは曲がり角を曲がったところで急停止した。すぐにすずともちも追い付く。
今まで走ってきた三人は息を切らせながらも曲がり角の先に横たわった物に目を向けた。
そこにいたのは
首が外れているりこの服を着たマネキンだった。
「りこぴん……!」と思わずもちが言う。
りこが死んでいたのを発見したちえりが二人を見つけ、ここまで連れてくる最中でもちは既にちえりからりこが死んでいるという話を聞いていた。
しかし、実際にその姿を見て先程まで隣にいた人物の脱落に衝撃を受けているようだ。
初めてこの現場を見た二人はマネキンを確認してしたあと、少し離れたところに目立っている、おそらくりこを殺すのに使ったであろう拳銃を見た。
「それ、もう弾入っていないみたい」
先にりこのマネキンを発見していたちえりは既に床に落ちていた拳銃も調べていたようだ。
ちえりは二人が拳銃に視線を向けていることに気づいて、それについて説明しながらマネキンの方に駆け寄った。どうやら何かを探しているらしい。
「そういえば首輪が無いんですね」すすがふと思いついたように言った。
すずの言った通り、マネキンの頭部は首を拳銃で無理矢理何度も撃ち抜いたことにより体から取れており、首輪はこの場には無い。
「たぶん……解除条件4か10の人がりこちゃんをやったんじゃないかな?」
落ち着いたのかもちは思いついたことを言った。
「すずちゃん。はいこれ。よく考えたらここに置きっぱなしにせずに、ちゃんとちえりが持っていった方が良かったんだけど……」
マネキンから目当ての物を探しだしたちえりがすずにそれを渡す。
すずはそれを手が空いている右手で受け取った。
「りこさんのPDA……」
そこにあったのはりこのPDAだった。解除条件を確認してJであることを確かめたすずは疑問に思ったことを言う。
「なんでりこさんを殺した人は首輪は取ったのにPDAは取らなかったんでしょうか?首輪とは違ってPDAは基本的に持ってれば持っているだけ有利になるものだと思うんですけど」
「ちえりがりこちゃんを見つける直前までここにいて、ちえりが近づいてくる足音が聞こえたから慌てて逃げて回収するのを忘れちゃったとか?」
「腑には落ちませんが……それぐらいしか理由は思い付きませんね」
すずは自分の右手と左手を眺める。
右手にはりこの遺品。左手にはロッシーの遺品。
すずの解除条件に必要なのはあと3つだ。
「あなた達の気持ちは私が受け継ぎます」
第三章【エクストラゲーム】終
残り生存者数……11人
【A】 【2】 【3】 【4】
【5】 【6】 【7】 【8】
【9】 【10】 【Q】
next……第四章【"Who killed the Jack?" "I," said the Joker,】
Side:ばあちゃる
「はーいどうも世界初⁉男性バーチャルyoutuberのばあちゃるです。はいはいはい皆さま楽しんでいますかー!いえーいはいはいはい!え?前回と言っている内容が一言一句同じ?えーっ?そんなことはないっすよー!まあですね!遂に出ましたちえりーらんど送り!いやーまさかシロちゃんが最初なんて驚きでしたね!皆さんシロちゃんにかけちゃった人も多いんじゃないですかー?りこりこもね、まさか闇討ちされるなんてね!思わなかったですねぇギリギリで違和感を持ったのかPDAに何かをしていたみたいですけど気になりますねぇ!というわけで現在のレートはこちらです!」
ピノ 【10】×1.2
シロ 【K】×1.395 ≪DEAD≫
すず 【8】×1.567
ちえり【7】×1.654
いろは【5】×1.739
なとり【2】×1.944
もち 【Q】×2.0
あずき【4】×2.214
りこ 【J】×2.417 ≪DEAD≫
たま 【?】×2.417
めめめ【?】×2.545
イオリ【A】×3.4
双葉 【6】×4.25
「皆さんの中に最初にシロちゃんが脱落した人なんて予想できた方はいるんすかねー?まだベットOKですのでね皆さんお願いしますよー?もう死んだ人にはベットしないでくださいね!あっ!ばあちゃる君に負荷がかかってきたんでね。そろそろ終わります。おまけコーナーも現在準備中ですので少しお待ちください」
というわけで本日の更新は終了です。
さて最初の死亡者を予想できた方はいなかったのではないでしょうか!現在プロットは20回ほど変更されているのですが最初の死亡者だけは一度も変更されていません。
死に方についてですが、せっかくシークレットゲームを元ネタにするのなら最初の死因はシークレットゲーム恒例の死因にしようと思い、無知の利という形でアレンジを加えてみました。
そして二人目ですが……そもそも二人死ぬと思ってなかった方もいるんじゃないでしょうか。半ば不意打ちという形で訪れてしまった彼女の死ですが、まだ様々なことが謎に包まれています。誰がやったのか、なぜPDAを残した?なぜ首輪を?なぜこのタイミングで?そして最後に書かれたメモの内容は?
それはこれから明らかになるのでもしよろしければこれからもこのSSをよろしくお願いします。
感想や考察の一つ一つがめちゃくちゃ嬉しいです
ちなみに次回はおまけコーナー【脱落者の部屋】を更新する予定です
A【ヤマトイオリ】…QのPDAの所有者を殺害する。手段は問わない。
2【八重沢なとり】…JOKERのPDAの破壊。このPDAのみ半径1m以内でJOKERの偽装機能は無効、初期化される。
3【???】…3名以上の殺害。ただし首輪の作動は含まない。
4【木曽あずき】…自分以外の首輪を3つ取得する。首を切り取っても、解除条件を満たし外すのを待つのも良い。
5【金剛いろは】…館全域の24個のチェックポイントを全て通過する。特殊効果として地図上にポイントの表示がされる。
6【北上双葉】…JOKERの偽装機能を5回以上使用。自分で使う必要も、近くで行う必要も無い。
7【花京院ちえり?】…開始から6時間目以降に全員と遭遇。死亡している場合は免除。
8【神楽すず】…自分のPDAの半径5m以内でPDAを5個破壊する。6個以上破壊した場合は首輪が作動する。
9【???】…自分以外の全参加者の死亡。手段は問わない。
10【カルロピノ】…首輪が5個作動すること。ただし2日と23時間より前に行うこと。
J【牛巻りこ】…開始から24時間以上行動を共にした人間が2日と23時間時点で生存していること。
Q【猫乃木もち?】…2日と23時間の生存。
K【電脳少女シロ】…PDAを5台以上収集する。手段は問わない。
JOKERの持ち主【???】
更新乙です
リコピンを殺した犯人はジョーカー持ち疑惑のあるちえりちゃんかもちにゃんかな
首輪がないのは錯乱させるためでPDAは持っているのがバレたら危険だし
投下乙!
怪しいのはお嬢かなぁ
全員に遭遇するのが解除条件の筈なのに、>>207で牛巻すずすずもちにゃんの3人以外に会うのを避けてるのが気になる…けど一人だから会いたくないって事なんかなぁ…
更新乙です
ジョーカー持ちは3か9で確定だからなぁ
リコピン殺害も普通にありえる
あとオマケ楽しみ
たま会長は普通に3なのかな?
とすればあずきちと利害は一致するし・・・
そうなるとめめふた組がキーマンか?
警戒されないさっきぶりの相手であの時間にあえるならちえりちゃんかもちにゃんのどっちかのジョーカー持ちの方かな
さて渡ったJが本当に牛巻のものかどうか…
お嬢がジョーカーなら捨てる訳にはいかないだろうし
「途中経過を見せろ」で詰むしね
すずすずの持ってるJのPDAが偽物なら犯人はもちにゃんかな?
メタ的に考えたら牛巻の遺言の伏線回収の必要があるから本物だと思うけど
【BET】神楽すず
主人公補正を信じる
リレー休憩時間にしれっと投稿
おまけなんで読まなくてもOKです
メタ的なお話
本編中では語れない設定とか説明を脱落者の皆さんにしてもらうという物です。メタ的なことはなるべく喋らせませんが。
生放送の間の休憩コーナーみたいな感じですかね
考察コーナーは意図的におさらいコーナーくらいの発言力に調節してます。まぁ余興程度とでも思ってください
ルールル ルルル ルールル ルルル ルールールールールルー♪ 
【脱落者の部屋】
「みなさんこんにちは。シロです」
――軌道修正役のメンテちゃんです。人数が増えてきたらいなくなる予定です
「ハウディー!牛巻りこだよー!それにしてもここ敗北者の部屋って名前のわりにはお上品な部屋だね!」
「シロが最初来たときは監獄だったんだけど、プリズンブレイク社に協力を依頼して立派なお部屋に変えてもらいました!」
――ようするにシロちゃんのワガママ……じゃなくてシロ魔法の結果です
「メンテちゃん大変なんだね……まぁいいや。ここは文字通り負けちゃった人が来るところってことで良いんだよね?」
――そうです。負けた人はここで待機してもらいながら生放送をご覧になっている皆様への特別な動画を撮ったりします
「シロが最初にこの部屋に来たからぁ〜シロがこの部屋のヌシです!」
――では部屋のヌシのシロさん。これを読んでください。
「何々……分かりました!それでは最初のコーナー!【おしえて!シロリン】行ってみまーっしょう!……これコーナーの名前ついさっき決めたばかりでしょ」
――バレましたか。この企画自体さっき思いつきで決めました。
「……シロぴーも大変だね。それよりこのコーナーって何なの?」
「簡単に言うと質問コーナーみたいですね」
――そうです。では最初の質問です
『めめめちゃんがふーちゃんをおんぶして歩くシーンは感動的だったのですが、ちょっと疑問があったので質問させていただきます。たしか二人の自己申告ではふーちゃんの方がめめめちゃんより5cmくらい高かったはずです。が、それだとおぶるとき少し大変だと思うんです。けれど実際はめめめちゃんの方が身長が高く見えて楽々背負えてたように見えるのですけどどうなんでしょうか?』
「はいお答えしましょう。というわけでメンテちゃん身長順出して」
――はい。現在公開しているアイドル部の皆さんの身長はこうなっております。
145cm<カルロ・ピノ≒夜桜たま<150cm<もこ田めめめ(旧設定)<花京院ちえり<155cm<北上双葉<猫乃木もち<160cm<八重沢なとり<神楽すず<165cm=金剛いろは
「へぇ……めーめちゃんに旧設定って書かれているね」
――めめめさんはアイドル部に移籍した際に身長が伸びたみたいです。双葉さんよりも身長が高かったので背負いやすかったみたいですね。
「御披露目会で並んでみたときシロより高かったもんねー。そういえばこの表にりこぴん入ってないね」
――イオリさんとあずきさんもですね
「そもそも電脳空間のみんなの身長はシロもだけど基本的に可変式だし、3人はその辺考慮して言わなかったんじゃないですか?」
「えーっと。そう!シロちゃんの言うとおり!決して言うのをすっかり忘れてたとかそういうのじゃないよ!」
――今回のゲームにおける身長はあずきさんがたまさんとちえりさんの間くらい、りこさんとイオリさんが共になとりさん位のようですね
『あのPDAの解除条件に映っているトランプなんなんですか?模様と実際の解除条件の持ち主が違う気が……』
「あーあれはねーどっとライブのグッズを作ろうっていう話し合いの中で考案された物なんだけれど結局没になっちゃったやつなんだよね。牛巻ね3のデザイン結構気に入ってたんだけど」
「その人ごとの模様と実際の持ち主が合わないのは没とはいえ参加者の皆さんが予測出来てしまうからというのが一つ。もう一つはゲーム中で落ちていた誰かのPDAを拾うという機会があったときに誰の物か一発で分かってしまうのが一つ。最後にジョーカーの偽装と仕様が合わないのが一つって感じなんですかね」
「メンテちゃん!せっかくだから画像一覧公開してあげたら?」
――分かりました。
『そういえば何でシロちゃんは解除条件がKだったのに、めめふたに解除条件を言わなかったんですか?PDAを集めるっていう解除条件なら裏切り警戒も分かりますけれど素直に協力を依頼した方が良かったのでは?』
「それはですねー基本的に言ったり心の中で言っていることで全部説明してあるんですけれど、今の状況を見るなら最初に言っても良かったかも」
「その心は?」
「思ったより賞金狙いの人がいなかった。もっとバンバン戦闘が起こるものかと思ってたんですよねー。戦闘が起これば基本的に勝った人はPDAを奪うから、どんどん一人辺りの所持数は増えていきます。だから一時的な協力関係が終わったあとからでも8の人の破壊さえなければすぐに集まると踏んでいたし、二人を見極めて大丈夫そうだったら三階まで上がったときに頼もうとも思ったよ?」
「なるほどーピノ様に執着していたのはやっぱり、もう二人を大丈夫だって見極めていたから?」
「ううん。でもきちんと色んな可能性を考えて、予想外なことが起きても良いように準備しておかないとね。失敗したとき別に用意していた方法でどうにかできるから」
「やっぱり事前準備大事だよねー」
――……。
――質問はとりあえずこれくらいみたいですね。
「ふーん。じゃあこのコーナーこれで終わり?」
――いえ、今回はもう一つコーナーがあります。
「えっなに?なに?」
――【これからどうなるでSHOW?】です。
「……前々から思ってたけどどっとライブのネーミングセンスってばあちゃる号だけじゃなくて全体的に酷いよね」
「りこぴんも安村とか変わらないんじゃ?」
「うるさーい!それよりもそのコーナーの内容は?」
――一つのテーマに沿って考察してもらおうっていうコーナーです
「なるほど。で今回のテーマは?」
――りこさんを殺した人がジョーカーの持ち主と同じなのかどうか。そして誰なのか。です
「……それ牛巻参加出来なくない?自分を殺した犯人知ってるし」
――なのでシロちゃんだけでお願いします
「あーっ!ハブだ!ハブだ!酷い!……まあいいけど。牛巻は質問役とかシロちゃんの考察に突っ込み入れる役をすれば良いのかな?自分だけ知っている情報は勿論言わないけどね」
「おっけまる!んーまずやっぱりりこぴん殺したのはちえりちゃんかもちちゃんかすずさんの誰かだと思うんですよね。りこちゃんが死んだタイミングから推測するにその周辺にいたのはその三人だけみたいですし」
「うーん。でもゴンゴンやピノちーも可能性はない?」
「ありますけどりこぴんの警戒が薄かったのはやっぱりずっと行動を共にしていた3人の可能性が高いんじゃないかなって。あとゴンゴンは首輪探知機能っていうバッテリーの消費が高そうなソフトを既に入れているのに、効果が似ているPDA探知機能を入れないと思うので、ピノちゃんはともかくゴンゴンの可能性はかなり低いと思います」
「じゃあその三人が牛巻を殺した理由ってなに?」
「ちえりちゃんともちちゃんは解除条件的に今殺す利点は無いので賞金狙いでもこのタイミングでの殺しは考えにくい。となると解除条件的に殺す理由があるのはすずちゃんだけです。だからりこぴんを殺した犯人はすずちゃん!って言いたいところなんだけれど……ジョーカーの持ち主の可能性があるのなこの三人な以上偽装していたら三人とも可能性があるんだよねー」
「……あれ?牛巻が持っている可能性は考えないの?」
「まぁ、りこぴんの可能性が無いわけではないけれど、その場合ほぼ確実に犯人はすずちゃんになる上に、りこぴんはちえりちゃんが探って何も言わない以上二つ持ってないでしょ?ちえりちゃんが見つけてわざとジョーカーを隠した可能性は勿論あるけれど、単純にりこぴんがジョーカー持ちな可能性はかなり低くなるよね」
「……誰がジョーカー持ちだと思うの?」
「まず……実はシロはすずすずがジョーカー持ちの可能性も結構考えてるんだよね」
「えっ?なんで?かぐらんが起きたところは心の声付きで放送されていたけれど、そこで手にいれた描写は無いよ?」
「うん。シロはすずちゃんが自分の解除条件を言った後に、ジョーカーを見つけた可能性はあると思うんだよね。8はジョーカーがどれか見分けた上で破壊しなければいけないし、持っている価値は高い。優位性を保ちたいんだったら言わないのは一つの選択肢になるよ」
「なんでその場合、このタイミングで牛巻を殺したの?」
「それはさっきも言ったけど8の解除条件の都合だよね。りこぴん殺せば自分の解除条件の壊す数に含めることが出来ないものを含めることができるし。ちょうど二人きりになるタイミングが出来たから殺っちゃったって感じかな。まぁこのパターンの場合証拠になるものがなくて全部憶測になっちゃうんですけどねー。それよりかはちえりちゃんともちちゃんの方が可能性あると思ってるよ」
「二人の内だったらどっちがジョーカー持ちの可能性が高いと思ってるの?」
「シロちゃんはジョーカー持ちイコールりこぴん殺しの犯人でジョーカーで本来の解除条件から変えていると思ってるんだけど、どちらか選べっていうならもちちゃんかなー」
「何で?」
「シロがジョーカー持ちで解除条件を変えるなら2かQの二択だから」
「なるほどーQは何となく分かるね。最後に話が脱線しちゃうんだけれど何で2も候補なの?」
「というかシロだったら絶対2。理由は解除条件が2の人と出会っちゃったときに被害が一番少ないから。他の解除条件だと2と出会ったときに2の機能を受けるのを拒否する理由を作れないけれど、2なら相手が2って言った時点でジョーカーだって分かったからっていう理由で戦闘に持ち込めるからね。そのまま殺せれば証拠隠滅。仲間を騙していてもセーフ!ジョーカー探知機能の存在を知っていたら変わったかもしれないけれど」
「ちなみに言い方的にシロちゃんももちちゃんかちえりちゃんかで結構迷っているみたいだったけどちえりちゃんがジョーカーっぽいって思った理由ってなに?」
「7の解除条件の特殊効果である出会った数のカウントが7人だったでしょ?あれってりこぴん、もちちゃん、すずちゃん、あずきちゃん、たまちゃん、ピノちゃん。そしてシロの7人だと思うんだよね。たぶんゴンゴンだけ遠かったから遭遇判定扱いになっていない。で、ちえりちゃんも確認しているんだからそれには気づいているはず。ちえりちゃんはゴンゴンが逃げていった方向に行ったんだよね。そしたら自分が単独行動だったとしても戦闘禁止エリアに入った音がしたら多少のリスクがあったとしてもゴンゴンが戦闘禁止エリアに入った可能性を考えるとそっちに行った方が良かったはず。なのきしないってことはちえりちゃんの解除条件って実は違うんじゃないかなぁって。まあこれに関しては慎重さによっても変わるからなんとも言えないけれど」
「考察が凄すぎて突っ込むところもタイミングも無かった……」
――白熱しているところですがそろそろ時間が来たみたいですね。最後に一言お願いします
「牛巻は死んじゃったけれど……みんなは強く生きろよ!」
「ばいば〜い!」
今日の更新はこれで終了です
14人リレーすごかったですね……
明日(今日)もお披露目ありますので楽しんでいきましょう
乙
自分はもちにゃんが怪しいと思ってる
A39聞いたのも9でQがいそうな反応か確かめた…とかは流石に考えすぎな気もするけど
実は四章は五章とまとめても良いくらい短いです(長さで章を区切っているのではなく、キリの良さで区切っている故の弊害)なので今日二回に分けて、まとめて更新しちゃいます。たぶん二回目は今日のアイドル部配信が始まる一時間前頃になると思われます。
ところでいつもやっている時間の表示について思ったんですけれど経過時間6時間。つまり一日目の六時間目って【00:06:00】で表すよりも【01:06:00】で表した方が良かったのでは?と気づいてしまいました。
もう牛巻に説明させてしまっているので訂正不可能ですが。あとついでにコテハンが分かりやすいように章題付けるようにしてみました
第四章【"Who killed the Jack?" "I," said the Joker,】
Side:金剛いろは 三人称視点 三階【01:00:25】
「ねぇ!こっちに何かあるよー!」
「ごんざぶろうステイ!!ステイ!!」
「えっ?なに?ふーさん!?」
「とーまーれっていってるの!!」
「聞こえないよー!ふーさん!」
「なんなん!!ふつうとまれって言葉きこえなくても、なにか後ろで言ってたらとまるよね!なんでそのまま進んでいくの!?」
「はぁ、はぁ、一人背負っているめめめのことを少しくらい気遣ってよ!ゴンゴン!」
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