※注意
・このSSはクロスオーバー物です
・またオリジナルキャラも出て来ます
そういうのが苦手な方は注意してください
前回までのあらすじ
『海の街 サミス』に訪れたオルガ、三日月、アカリ、ケリンの仲良し4人組
海の街を楽しむ4人だったが海の街サミス』には恐ろしい怪物も訪れていたのだった
アカリはその怪物の餌食になりかけたが、なんとか生き延びる事ができたのだった
だが安心したのも束の間、怪物によって衰弱させられたアカリが倒れてしまった
ー サハナの宿 ー
サー … サー… サー… サー … サー…
アカリ
「んん………」
優しい波の音が聞こえる中、アカリは目を覚ます
アカリ
「ここは…?」
アカリはもぞもぞと布団から顔を出して辺りを見回す
ガチャ
アカリ
「ん…?」
アカリがいる部屋のドアを誰かが開ける音が鳴る
???
「あら 起きたのね」
アカリ
「…看護婦さん…?」
部屋に入って来たのは看護婦のような格好をした茶髪の女性だった
???
「私はエミリー・ダイアー 看護婦じゃなくて医者よ、よく間違えられるけどね」
医師
〈エミリー・ダイアー〉
アカリ
「じゃあ なんでそんな格好してんの…?」
エミリー
「趣味」
アカリ
「ああ…そうなんだ…」
エミリー
「それで気分はどう? どこか痛い所とかある?」
アカリ
「ん〜…大丈夫 !ありがとう!」
エミリー
「その様子なら平気そうね、良かったわ」
アカリ
「うん!全然 平気! ただアカリの服 変わってない?」
アカリの服は昨日 来ていた物とは違っていた
エミリー
「ええ そうよ、私が着替えさせてもらったわ
あんなびしょ濡れで露出の多い服じゃ 風邪 ひいちゃうわ」
アカリ
「そうなんだ、ありがとうね!」
エミリー
「いえ 医者として当然の事をしたまでよ
それにしてます本当に元気ね… いくら身体に異常が無かったとは言え… 細いのに頑丈な身体ね…」
エミリーがやたら元気なアカリをまじまじと不思議そうに見る
アカリ
「アカリ! 普段からごはんをモリモリ食べてるから ちょっとやそっとの事じゃ堪えません!」
ピロリン♪
アカリは自信満々にそう答える
エミリー
「確かに細いのによく食べるとは聞いたけど…」
アカリ
「はっ! そう言えば!ねぇエミリーさん!
オルガやミカやケリンは!? 3人とも大丈夫!?」
アカリはベッドから身を乗り出すほど勢いよく そう言った
エミリー
「待って 落ち着いて 3人とも怪我1つしてないわ、今もこの宿にいるわ」
アカリ
「ほんと!!! 良かった…!!!」
エミリー
「ただ3人とも貴方の事が心配で昨日から一睡もしてないわ…」
アカリ
「…みんな…」
エミリー
「そうね、すでに貴方は元気そうだから、もう3人と会ってもいいわよ」
アカリ
「ほんと! やった〜! 3人に会えるぅ〜!!」
エミリー
「じゃあ呼んでくるから 少し待っててね」
そして1分後
ガチャッ
オルガ
「アカリッ!」
アカリ
「オルガ!」
ケリン
「おお! 全然 元気じゃないか!」
アカリ
「ケリンも!」
三日月
「良かった…」
アカリ
「それにミカも! みんな無事で良かったぁ!」
アカリはベッドから飛び出し 4人に駆け寄る
オルガ
「それはこっちだって一緒だ…お前が起きるまでは俺たちは生きた心地がしなかったぜ… 無事でなによりだ…」
ケリン
「一時はどうなるかと思ったけど…お前が元気そうで安心したぜ…」
三日月
「俺たち みんな心配してたよ…」
アカリ
「オルガ…みんな…! 心配かけて ごめんね…そして…みんな ありがとう…!」
アカリはオルガにギュッと抱きつき、喜びの涙を流しながら そう言った
オルガ
「まあ…いいってことよ…」
三日月
「うん…」
ケリン
「ああ!そうだな!」
エミリー
「ふふっ…いい友達を持ったわね…」
ケリン
「よ〜し!!! 祝いのミサイル4連射だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
ケリンは口から祝いのミサイルを4発 発射する
ドガァァァァァァァン!
クソメガネ
「ほぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
織田信姫
「うぎょぎょぎょぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
道明寺晴翔
「どぅおおおおおおおおおおおおおお!?」
ピアソン
「ぐぇあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
エミリー
「そう言えば教授たちが休憩所に朝食を用意していたわね…そこでこれからの事を話した方が良いと思うわ」
アカリ
「そう言えばアカリ めちゃくちゃ お腹空いてるね! よし! 下に行くぜ!!!」
アカリはベッドから元気よく飛び出し、ドアを開けて 下へ降りて行った
エミリー
「ちょっ…! いくら元気でも激し過ぎよ!もっとゆっくり行きなさいって もう行っちゃってるわね…」
三日月
「ほんとに元気だなアカリは…」
ケリン
「はは! これでこそアカリだな!」
オルガ
「そうだな…いつも通りのあいつで良かったぜ… エミリー先生、本当にありがとうございます、あんたのおかげの助かった…」
エミリー
「いえ 私は医師としての役目を果たしただけよ、気にしないで」
オルガ
「…いえ お礼を言わせてください、
今回はあんた達が来てくれて助かりました
感謝してもしきれないです… あいつのいつも通りの姿が見れて本当に良かった…ありがとうございます」
オルガはエミリーに対して深く頭を下げた
ケリン
「俺も感謝してます エミリー先生」
三日月
「ありがとうございます」
2人もエミリーに対して頭を深く下げる
エミリー
「そんなに改まらないでいいわよ
私は患者が元気になってくれればそれでいいの…それより私達も行きましょう」
ー 宿の休憩所 ー
アカリ
「うぃっひひひひ! 一番乗り〜!!!」
アカリは滑り込むように休憩所にやって来た
アカリ
「って! うおおおおおおおお!!!」
休憩所のテーブルには
優しいバターの香りがするフレンチトースト
色鮮やかなフルーツの盛り合わせ
野菜やハムやチーズが挟んであるサンドイッチ
といった食事が並んでいた
アカリ
「うっひょひょひょ…美味しそうだな〜!
へっへへへへへへ… じゅるっ…!」
アカリはヨダレを垂らしながら悪い顔をしながら周りをちょろちょろと見回す
アカリ
「へへへ…誰もいないよねぇ〜 ふひひっ…じゃあ先にいただいちゃお……!」
アカリが料理に手を伸ばす
すると
シャキンッ
アカリ
「ありゃ?」
アカリの首元に二本のククリ刀が交差する
アカリ
「えっ …なにこれ? ヤバくない?」
アカリは全身から汗をダラダラと流す
???
「…お嬢さんよぉ…少し行儀がなってないんじゃねえのかい?」
アカリの背後から男性の声が聞こえる
アカリ
「いや〜 あの〜 ちょっとした出来心で…」
???
「それはいけねぇな…戦場じゃあ
そういった心の緩みが命取りだ…
嬢ちゃん ここが戦場だったら死んでるぜ?
まあ ここは戦場じゃないから許してやるよ」
男性は二本のククリ刀をアカリの首元から離した
アカリ
「ふ〜! 助かった……!」
アカリはホッとする
緑フード
「次から気をつけ…」
???
「何 やってんだよ!お前は!」
ドガッ!
緑フード
「ぐわっ!」
突然 緑フードの男性の隣に頭にリボンをつけた茶髪の女性が現れて 緑フードの男性の後頭部に蹴りを入れる
強烈な蹴りをもらった緑フードの男性は5メートルほど吹っ飛ぶ
リボンの女性
「何 怖がらせてんだよ!
ピクルスみたいな見た目しやがってぇ!」
女性は緑フードの男性にそう言い 頭のリボンをぴょこぴょこと震わせる
ピクルス
「いてて…行儀の悪いお嬢ちゃんをちょいと懲らしめてやろうとしただけ…」
リボンの女性
「お前の方が行儀 悪いんだよ!!!」
ドーーーーーーーーーーー!
緑フード
「ぐがあっ!!」
リボンの女性は起き上がろうとする緑フードの男性にヒップアタックを喰らわせた
リボンの女性
「どう? これで少しは反省した?」
緑フード
「」 チーーーーーーーーーーーーン
怒涛の制裁を受けたことにより、床にぐったりと倒れた緑フードの男性に向かって リボンの女性はニコニコしながら そう言った
アカリ
「やり過ぎじゃね?」
リボンの女性がくるりとアカリの方へ向く
アカリ
「ひっ…!」
リボンの女性
「怖がらせてごめんねーアカリちゃん! あんな事されてビックリしたでしょ」
リボンの女性は笑顔でアカリにそう言った
女性をよく見るとかなり若々しく
アカリより歳下に見えるほどで女性というより少女といった感じだった
アカリ
「ああ…ええ…まぁ…って 何でアカリの名前 しってるの…?」
リボンの女性
「貴方のお友達に聞いたんだよ素敵な名前だね!」
リボンの女性は眩しい笑顔をアカリに向ける
アカリ
「えっ…そ…そんなぁ 照れるなぁ…へへへ…!」
アカリは赤面する
リボンの女性
「私は絆 愛、アイちゃん って呼んでね!
大学で教授をしてるの!よろしくね!」
大学教授
<アイ・キズナ>
リボンの女性 もとい キズナアイは先ほどの
凶暴な印象と違い、かなり友好的な性格のようだ
アカリ
「ふぁっ…ふぁい!よろしくお願いします!」
キズナアイ
「元気があってよろしい!」
キズナアイは上機嫌な様子でそう言った
キズナアイ
「あの緑はナワーブって名前で、私の助手で変な奴だけど悪い奴じゃないから許してあげて☆」
キズナアイはニコリと笑う
アカリ
「あっはい、イイっすよ」
キズナアイ
「ありがとうね〜アカリちゃ〜ん♪」
???
「やれやれ…相変わらずだな ナワーブ」
キズナアイ
「あっ マクギリス 月ちゃんの手伝い終わったの?」
マクギリス
「はい、あとはビスケットが焼けるのを待つだけなようで、もう少しで焼けるそうです」
キズナアイの助手
<マクギリス・ファリド>
キズナアイ
「そうか〜 月ちゃんの焼くビスケット 美味しいから楽しみだな〜♪」
キズナアイは上機嫌でリボンをぴょこぴょこと震わせる
マクギリス
「それと君…」
アカリ
「ふぇい?」
マクギリス
「同僚が怖い思いをさせてすまなかったね、彼は変わってはいるが根は良い奴だ、どうか許して欲しい」
アカリ
「うん 分かった」
マクギリス
「ありがとう 助かるよ、それとこれをお詫びのしるしに受け取ってもらえないだろう
か?」
マクギリスは懐からチョコレートが沢山 入った小袋を取り出し、それをアカリに手渡す
アカリ
「わあ! ありがとう!」
小袋に入ったチョコレートは可愛らしく包まれていた
マクギリス
「喜んでもらえたら幸いだ」
マクギリスはそう言って微笑む
三日月
「アカリ 良かったじゃん」
アカリ
「ミカー! この人からチョコ貰ったよ!
あとでミカにも分けてあげるね!」
三日月
「いいよ、アカリが貰ったんだから アカリが全部 食べなよ」
アカリ
「アカリ1人で食べるよりミカやオルガやケリンと一緒に食べた方が美味しいから そう言わずに一緒に食べようよ♪」
三日月
「それもそうか…」
三日月は嬉しそうにそう言った
ケリン
「良かったじゃないかアカリ」
アカリ
「あっ ケリン! 来たんだね! でもオルガは?」
オルガ
「オルガはエミリー先生の手伝いをしてるぞ」
アカリ
「あっ!そっか! じゃあアカリも…」
ケリン
「俺も三日月も手伝おうと思ったんだがオルガのやつが『お前らはアカリんところに行ってやれ、こっちは俺に任せとけ』って言うんもんだから 俺ら2人は下に降りたってわけなんだ」
アカリ
「えっ そうなの?」
三日月
「きっとオルガはアカリの事を気に掛けて そう言ったんだと思う」
ケリン
「だろうな」
アカリ
「オルガ…」
アカリは二階にある自分が寝ていた部屋の方を見て そう呟く
キズナアイ
「アカリちゃんはいい友達を持ったよね 彼 ずっと貴方の事を心配してたんだもん」
アカリ
「アイちゃん…」
マクギリス
「彼らは君の事を何よりも想っている、それを忘れてはいけない」
三日月
「チョコレートの人…」
マクギリス
「私の名はマクギリス」
ケリン
「それにしてもあんた達には本当に感謝してるよ、ありがとうな」
キズナアイ
「別に特別な事なんてしてないよ、当たり前の事だもん」
ケリン
「ありがてぇ…」
ケリンはやたらと尖った顔でそう言った
キズナアイ
「ところで早く月ちゃんの朝食まだ?」
マクギリス
「もうすぐかと」
???
「できたよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
突如 宿内に爆発的な奇声が鳴り響く
三日月
「ぐうぅっ…!?」
ケリン
「ぐわぁ!? 耳がぁぁ!!!」
アカリ
「ぐえぇ! 耳が死ぬぅ!!!」
強烈な音波が3人の鼓膜を襲う
キズナアイ
「あっ! 月ちゃぁぁぁん!!!」
マクギリス
「噂をすれば何とやらだな」
2人は慣れているのか平気そうな様子で奇声を発した者にそう声を掛ける
???
「教授!! マッキー!!おまたせェェェェッ!!! ビスケットが焼けたよぉ!!!」
声の主はやたらとテンションの高い銀色の髪を生やして長袖のパーカーを着ている少女だった
キズナアイ
「月ちゃん 待ってたよ〜!」
???
「教授!!! おまた!!!」
少女はそう言って両手で持ったビスケットが盛られた皿を食卓に置く
少女は手袋をしていた
マクギリス
「…いい焼き加減だ…」
マクギリスは皿に盛られた暖かく甘い香りが立つビスケットを見て そう呟く
???
「上手く焼けたでしょマッキー!!!」
少女は跳ねながらマクギリスにそう言った
マクギリス
「ああ 素晴らしい出来だよルナ」
ルナ
「いェェェェェェェェェェェェい w w w」
ルナと呼ばれた少女はマクギリスの言葉を聞いて歓喜する
キズナアイの助手
<ルナ・グヤッカ>
ルナ
「ありゃ? あっ!! 君 起きたんだ!!!
良かった〜!!!」
アカリ
「うおぉう!?」
いきなりルナはアカリの胸に飛び込んできた
アカリ
「なっ何するんだよ!くすぐった…あははは…! ちょっ! やめ… あはは!」
ルナ
「うォォォォ! おっぱいでけぇ!!!ふにふにメロンパンだ!!!」
ルナはアカリを揉みくちゃにしながら笑う
ケリン
「なんか この子 すげぇヤベー奴じゃん」
マクギリス
「やれやれ…ほどほどにしてあげてくれよ」
キズナアイ
「へへへ…じゃあ私も一緒に…」
三日月
「駄目だ」
キズナアイ
「!」
三日月
「それは駄目だ」
キズナアイ
「あっ…はい…」
マクギリス
「とにかく 朝食にしよう、話はそれからだ」
ルナ
「それもそっか!!! ってナワちゃんってば!まだ寝てんじゃん!!!」
ルナは倒れている緑フードの男性に近づき
ルナ
「起きてェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!」
ルナは緑フードの男性の側で首を絞められたような奇声を上げる
緑フード
「…っ! うるせぇな!! 起きたよ!起きた!起きたから 黙ってろ!!」
ルナ
「ナワちゃんおはよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
ナワーブ
「だから黙れって言ってんだろ!!!」
キズナアイの助手
<ナワーブ・サベダー>
ケリン
「よく あんな爆音を聴いても大丈夫だよな…」
三日月
「確かに」
マクギリス
「まあ それは慣れと言うものだ」
マクギリスは涼しげにそう語る
すると
ドンッ!!
全員
「!!!」
突然、上から何かが落ちてきて、その場にいた全員が身構える
それは
オルガ
「あのなぁ…
大声 出すんじゃねえぞ…」
キボウノハナー ツナイダーキズーナヲー
チカラーニシテ アスヲツヨーク
サキホーコレー
そんでもって
オルガ
「たく、酷い目にあったぜ…」
オルガはサンドイッチを噛みちぎりながら そう言った
ルナ
「いや〜 ごめん オレが悪かった、お兄さん すいませんでした!」
ルナはオルガに頭を下げる
オルガ
「今度から気ぃつけろ☆」
ルナ
「お兄さん 優しいぃぃぃ!!!あとで連絡先 交換しない?」
オルガ
「考えとくよ」
アカリ
「ほるがぁ もふぇもふぇじやぁん☆」
アカリがフレンチトーストを頬張りながら
オルガにそう言った
オルガ
「食ってから喋れよ」
エミリー
「それにしても貴方 厄介な難病を抱えてるのね…生活に支障は出てないの?」
同じ食卓に座っていたエミリーは心配そうにオルガにそう聞いた
オルガ
「まあ 色々と面倒だが何とかやってけてますよ」
エミリー
「楽にさせてあげたいけど…そんな病気 見た事も聞いた事もないわ…でも一応 治療法を探してはみるわ」
オルガ
「ありがとうこざいます、でもこの面倒な体質とは一生 付き合う事になると思います…」
オルガは何かを思い出しながら そう述べる
エミリー
「…どうして そんな身体になったの?」
オルガ
「………」
エミリー
「いえ、言いたくないなら今はいいわ…ただ またの機会に教えてちょうだい、出来るだけの事はしてあげたいの…」
オルガ
「…考えときます…」
ケリン
「そんで話が変わるんだけど、
昨日の夜にアカリを襲った化け物は何なんだ? あんなもん見た事ないぞ」
ケリンがビスケットをカフィオレに浸しながら キズナアイ達にそう聞いた
アカリ
「そうそう アレなんなの?」
キズナアイ
「あれは海に潜む多くの怪物のうちの一体で、私達も知り合いから話ぐらいしか聞いた事がないの」
三日月
「何? あんなのが何匹もいんの?」
三日月はバナナの皮を剥きながらそう聞いた
キズナアイ
「そうよ、海だけじゃなく この世界には
あんな怪物が貴方達のような一般の人間が足を踏み入れないような闇の中に潜んでるの
海に、山に、森に、そして人間の街にもね」
キズナアイは真剣な表情でそう言った
ケリン
「おいおい…それじゃあ映画やゲームみたいじゃねぇか…」
三日月
「……そう」
オルガ
「…なるほどな…それで聞いた話ってのは具体的にはどんな感じなんだ?」
ケリン
「ん? 随分とすんなり受け入れるんだなオルガにミカも…」
ケリンは不思議そうに2人を見る
オルガ
「まあ 色々あるんだよ」
三日月
「………」
キズナアイ
「そうね…私達が聞いた話によると
あの怪物は何十年も昔から活動していて
何隻も船を沈めてきた凶悪な怪物よ
客船や海賊船や軍艦、見境なく 襲ってきたの…」
アカリ
「………」
キズナアイ
「そして海に落ちた乗組員たちを飲みこまれて 怪物の胃酸で肉体を溶かされ、『魂』は身体に取り込まれたの…」
オルガ
「魂を…取り込む…?」
キズナアイ
「そう、『魂』よ、生きとし生けるもの全てにある物…本来 死んだ者の魂は霊界へと導かれて 別の命として転生する…だけど…」
マクギリス
「その怪物に取り込まれた魂は霊界に行く事が出来なくなり…」
ナワーブ
「その怪物の一部となり…」
ルナ
「その怪物の傀儡と使われて、永遠に苦しみながら死ぬ事も生きる事もできなくなる…胸糞 悪りぃ…」
ルナは吐き捨てるようそう言った
アカリ
「そんな……」
ケリン
「ひでぇ……」
オルガ
「確かにそれが本当なら胸糞悪りぃな…」
三日月
「…最悪だな」
アカリ
「………」
キズナアイ
「怪物の傀儡にされた人達は今も水膨れした姿で怪物のいいように扱われてるの…貴方たちも見たでしょ?」
オルガ
「…ああ はっきりとな…」
三日月
「もしかして俺が見た管みたいのは…」
マクギリス
「おそらく その管を通して人々を操っているのだろう」
ルナ
「その上、ヤツは取り込んだ人々の魂に刻まれた『助けて欲しい』といつ感情を利用して人の心にある良心に揺さぶりをかけて誘き寄せる呪術を使い、誘き寄せた人間を喰らう…邪な人間には効き辛いだろうけど、心優しい人間には良く効きそうだよ…」
マクギリス
「そしてヤツが言う『メーデー』と言うのは
喰われた人間が最後に言い残した言葉だろう
ヤツはそれが助けを求める声だと理解して
その言葉に呪いを込めたのだろう」
オルガ
「『メーデー』…救難信号か…」
アカリ
「………」
ナワーブ
「要するにとことん腐った性質(タチ)の化け物って事だよ」
ナワーブは林檎を齧りながら不快そうにそう言った
オルガ
「ああ ほんとにな…」
オルガは苦虫を噛み潰したような顔になる
ケリン
「悪意しか感じねぇ生態だな…」
キズナアイ
「…これは私達の推測なんだけど…
最初は魂はエネルギーの塊だから、怪物も力を溜め込む為に吸収してただけだと思うんだ…でも人間の魂を取り込んでいくうちに…」
ナワーブ
「人間に似た性質を持つようになったんだと思うぜ、悪い方向性にな」
アカリ
「人間に似た性質…?」
ナワーブ
「『他人の不幸は蜜の味』…ってやつだよ、
お前らも見た事あんだろ? 人間の持つ邪悪な性質の一つだ、他者の不幸や悲しみを愉しむような生物は他にいないと思うぜ?」
ケリン
「…道理でやたらと露悪的なわけだ…」
オルガ
「退治出来ねぇのか?」
キズナアイ
「今まで何人もの『退治屋』が挑んだけど返り討ちにされたり、逃げられたりして誰もヤツを仕留めれていないわ…」
ナワーブ
「海はヤツの領域だ、しかも深海に潜られちゃあ 手を出すのも難しい…」
マクギリス
「人類はあらゆる場所に進出したが、海…特に深海に関してはまだまだ甘い、深海は海の怪物たちにとって絶好の隠れ場所だ」
ルナ
「深海には怪物達がうじゃうじゃ潜んでるって話だよ、めっちゃキモい!」
ケリン
「確かに海にはバミューダトライアングルみたいな不気味な話も多いからな…」
ルナ
「そいう事!海は綺麗だけど…その分 闇も深いって事なんだよねぇー」
オルガ
「…しばらくは海に来る気が無くなったな…」
マクギリス
「そうだな、おすすめはしない」
三日月
「…つくづくアカリが無事で良かったと思う」
ケリン
「まったくだぜ…」
オルガ
「もしも止めるのが遅れてたら…
いや…考えたくもないな…ん? アカリ?
どうした?」
アカリ
「…私 上の部屋に戻って…もう一度 寝てくるね…ごちそうさま…」
アカリはそう言って席を立つ
ケリン
「おいアカリ 大丈夫か? 顔色 悪いぞ」
アカリ
「うん…大丈夫…ちょっと…気分が良くないだけだから…じゃあ寝てくるね…」
ケリン
「ああ…わかったよ…安静にな…」
オルガ
「なんかあったらすぐ言えよ」
三日月
「俺たちは下にいるから…」
アカリ
「うん…ありがとね…じゃあ おやすみ…」
アカリはそう言って二階の部屋に向かって行った
ケリン
「……アカリ ほんとに大丈夫か…?」
三日月
「朝食もあんまり食べてないし」
オルガ
「いつもはバカ食いしてるのに…でも無理もないか…」
キズナアイ
「…気分が悪くなるような話をして ごめんなさい…でも大事な事だから貴方たちには知ってもらいたかったの…」
オルガ
「別にあんた達が悪いわけじゃないだろ
悪いのはあのクソみたいなバケモンだ…
化け物だろうが人間だろうが俺の仲間に手を出そうってんなら酷いやり方でぶっ殺してやりてぇよ……!」
オルガは怒りに満ちた表情でそう言った
キズナアイ
「…今 サハナに怪物の痕跡を探してもらっているわ…彼 怪物に対する知識を持った情報通なダイバーなの、きっと彼なら怪物の足取りも掴めると思うわ、もし居場所さえ分かれば
どうにでもなるわ」
オルガ
「…よく分かんねぇが頼む…あんな胸糞悪い怪物の好きにはさせたくねぇしな…」
マクギリス
「居場所が分かれば私の剣で葬り去ってあげよう、この名剣 バエ…」
ルナ
「とにかく、お兄さん達も休みなよ
昨日から一睡もしてないじゃん
それじゃあ駄目だろ、しっかり寝て 気持ちを落ち着けなよ」
ルナはオルガ達3人にそう言う
キズナアイ
「そうよ、今 貴方達に必要なのは睡眠よ
よく寝て 頭をスッキリさせなきゃ!
また後で話すからさ」
ナワーブ
「そうだな、正確な判断も出来ないだろうしな」
ケリン
「それもそうだな、俺たちも休もうぜ
アカリの隣の部屋だから何かあった時にも対応しやすいし」
オルガ
「…分かったよ…ケリンとミカは休んでくれ…俺はお前らが起きたら休ませてもらうよ」
ケリン
「おいおい お前が一番 疲れてるだろうに…」
三日月
「オルガ 大丈夫なの?」
オルガ
「こんくれぇなんて事はねぇよ
それにあんた達から詳しい話も聞きたいしな」
キズナアイ
「………」
オルガは教授達に向けて、そう言い放つ
オルガ
「とにかく、俺は大丈夫だから
ケリンとミカはしっかりと睡眠をとってくれ
俺も後でちゃんと休むからよ」
ケリン
「でもよ……」
三日月
「わかったよ オルガ」
ケリン
「えっ いいのかミカ?」
三日月
「俺はオルガがそうしたいなら、それでいい
ただ あとで絶対に休んでよ、約束だからね」
オルガ
「ああ 分かってる」
ケリン
「…ミカもそう言うんだったら…ただ ほんとに無理はするなよ
それだけは頭に入れといてくれ」
オルガ
「分かってるよ、無理はしねぇから安心して休んできてくれ」
三日月
「分かった…おやすみオルガ」
オルガ
「ああ おやすみ」
三日月はそう言って 二階に上がって行った
ケリン
「…1人で背負いこむなよ…」
オルガ
「だから心配すんなって 大丈夫だよ」
ケリン
「それならいいが…まあ とりあえずは…おやすみオルガ」
オルガ
「ああ おやすみ」
ケリンは渋々と二階に上がって行く
マクギリス
「…いいのか?」
オルガ
「ああ 問題ねぇ」
ルナ
「ほんとに?友達なんだろ?」
オルガ
「だからこそだ、仲間全員で不安になる必要はねぇ、俺1人で充分だ」
エミリー
「…私はアカリちゃんを見てくるわ…教授、彼に話を…」
キズナアイ
「分かってるよ、私も話すつもりだったから」
エミリー
「お願いします…ではまた…」
エミリーも二階に上がっていく
オルガ
「…それじゃあ聞かせてもらおうか…なぁに覚悟は出来てる…」
ナワーブ
「…察しはついてるようだな」
オルガ
「ああ 何となく分かってるよ
今回の件が深刻な事くれぇわな…」
マクギリス
「…………」
ルナ
「…………」
オルガ
「…腹割って話そうじゃねぇか大将」
ー 二階 ー
エミリー
「アカリちゃんが少し心配だわ…さっきまではとても元気だったのに…」
エミリーは不安そうな様子でアカリの部屋に向かう
すると
ケリン
「なぁ エミリー先生」
エミリー
「あっ ケリン君 まだ寝てなかったの?」
ケリン
「ああ ちょっとエミリー先生に聞きたい事があって…」
エミリー
「アカリちゃんの事?」
ケリン
「まあ そうだな、それなんだけど…アカリの状態は良くないんだろ? 身体的な意味じゃなく『状況的』な意味で」
エミリー
「…………」
ケリンの言葉を聞いたエミリーは沈黙した
ケリン
「その様子を見るにやっぱりそうなんだな…」
エミリー
「…とにかく 貴方達 3人は疲れてるから
今は休んでちょうだい…精神的にね…」
ケリン
「分かったよ…でもオルガのやつ 自分1人で何でも背負い込もうとするから心配なんだよ
…あいつだけに重荷を背負わせたくない…」
ケリンは真剣な目でエミリーを見つめる
エミリー
「…分かったわ…私達からもそう言っとくわ…だから今は休んでちょうだい…」
ケリン
「それならいいんだ…ありがとなエミリー先生…あんたは良い人だ」
ケリンはエミリーにそう感謝する
エミリー
「良い人…ね…
そうでもないわよ…」
エミリーは俯いて そう呟いた
ケリン
「ん?」
エミリー
「いや気にしないで、それじゃ 私はアカリちゃんがいる部屋に行くわね…しっかりと睡眠をとってね」
ケリン
「分かった、ありがと…」
エミリーはアカリの部屋に入って行った
ケリン
「……聞いてるんだろ? ミカ」
ガチャリ
三日月
「…うん」
三日月が自分の部屋のドアを開けて顔を出す
ケリン
「やっぱり お前も気づいていたか、なあ お前はどう思う?」
三日月
「…俺はオルガの背負った物を一緒に持ってあげたいと思ってる…オルガだけに背負わせたくない」
ケリン
「……そうか、それは俺も一緒だよ」
ー アカリの部屋 ー
エミリー
「アカリ?寝てる?」
アカリ
「…エミリー先生?」
アカリは顔を上げて部屋に入って来たエミリーの方を向く
エミリー
「体調は大丈夫かしら? あんまり食べてないようだけど…」
アカリ
「うん 身体は平気…ちょっと気持ちがね…」
アカリはいつもよりずっと暗い声で話す
エミリー
「あんな話をされたら無理もないわ…
私も気分が悪くなったわ…」
アカリ
「…ずっと暗い海の中…バケモノの体の中で苦しみ続けるなんて いくらなんでも酷過ぎるよ…天国も行けず…大切な人にも会えずにただ道具みたいに扱われるなんて…こんな事が許されていいの…?」
アカリは悲しいような悔しいような様子で話す
エミリー
「いえ…許されるわけがないわ…きっと教授達が退治してくれるわ
少なくともヤツがずっと野ばらしになる事はないし絶対に天罰が下るわよ、だから貴女は今は休んでちょうだい…
貴女が悲しむと貴女のお友達も悲しくなってしまうわ…」
エミリーはアカリにそう語りかける
アカリ
「…わかった…今は休むよ…おやすみエミリー先生…」
アカリはそう言ってベッドに潜る
エミリー
「おやすみなさいアカリ…これから大変だろうけど貴女達ならきっと大丈夫よ…
何かあっても教授達や私がいるからね…」
そう言ってエミリーはベッドに潜るアカリを見ながら部屋のドアの方へ行き、部屋から出て行った
ー とある路地裏 ー
「ひぃっ…ひ……!」
1人の男性が何かから必死に逃げようと路地裏に飛び込む
男性
「はぁ……はぁ…ここまで来れば流石にもう撒けただろ…」
男性は息を荒くしながら壁に寄りかかる
男性
「それにしても…なんなんだ あの女は…上玉だと思って近づいてみれば…バケモノだったなんて…まさか仲間と取引先が捕まるとは…これからどうずれば…」
「どうしよう、困った困った」
男性
「ああ…本当にな…一体 どうすれば…ん…はっ…!? 」
男性は頭上を見上げる
「こんきゃーっと」
男性の頭上には緋い瞳が妖しく輝いていた
ジャララララララララララララッ
男性
「"うおあああああああああああ"!!!」
男性は一瞬で全身を鎖で縛られ
ガチャンッ
錠をかけられてしまった
男性
「しまった…! くそっ! この鎖を解けバケモンが!!!」
男性は暴れるが鎖はまるで外れる様子が無い
「にゃふふふ…口が悪いねずみさんも可愛らしいものですね♪」
男性を鎖で縛った緋い瞳の持ち主は尻尾をパイプに巻き付けて ぶら下がった状態で嬉しそうに言った
「4ショット(よいしょっと)」
緋い瞳の持ち主は尻尾をパイプから離し 地面に着地する
キキィィィンッ
金属が激しくぶつかったような音が響く
男性
「ち…近寄るんじゃねぇ…!!!
この化け猫が…!!! それ以上 近寄ると たっ…ただじゃおかねぇぞ!!!」
男性は目の前に立つ緋い瞳の持ち主にそう怒鳴った
「こうも反抗的なねずみさんは久しぶりですね♪ どうしてそんな強気なんです?」
緋い瞳の持ち主は頭から生えた猫の耳をぴょこぴょこと震わせて
金属に包まれた尻尾をゆらゆらと揺らす
男性
「へ…! 知らないなら教えてやるよ!
俺はこの暗黒街を牛耳ってるマフィア『ラットファミリー』の幹部やってるんだぜ!!
取引の邪魔をして上に幹部の俺にこんな事しちまっからにはタダじゃすまさねぇよ!
うちのボスがテメェを探して 生まれた事を後悔させてくれるぜ!それが嫌なら今すぐこの鎖を外せ!そうしたら見逃してやる!!」
男性はいきり立って緋い瞳の持ち主にそう言った
「うーん…」
緋い瞳の持ち主は少し考えるそぶりを見せてから
「そのボスって この人の事?」
何かを服の中から取り出し それを男性に見せる
それは一枚の写真だった
「ん…? …はっ…!!!」
その写真を見た男性を顔を青くして後退る
「やっぱそっか」
緋い瞳の持ち主は写真を服の中に戻す
男性
「てっ…てめぇ…よくもボスを殺しやがったな…許せねぇ…殺してやるっ!!!」
怒り狂う男性が緋い瞳の持ち主に突進していく
「まあ 落ち着いて」
「ぐえっ…!!!」
緋い瞳の持ち主は突進してきた男性の首を鷲掴みにして持ち上げる
「ぐっ…はな…げお……!」
男性は苦しそうにもがく
緋い瞳の持ち主は男性を持ち上げたまま
すぐ近くの壁にある外付けの階段の近くまで行き
「ゆうちょ(よいしょ)」
男性を縛り付けている鎖を外付けの階段の手すりに巻き付け、男性を吊るした
男性
「げっほ…! げほっ…!」
「やったのは私じゃないですよ、私の友達です」
男性
「げほっ…はぁ はぁ はぁ…」
「あの子 すごくマフィアが嫌いですぐ殺そうとしちゃう、本当に困った子」
男性
「はぁ はぁ はぁ…」
「でも大丈夫、ギリギリで生きてたから
知り合いから貰ったちょっと不思議な撮影機で助けてあげました、あとは帰ってお爺ちゃんに直してもらえばいいだけですよ♪」
男性
「………」
「まあ 元通り と言うわけでじゃなくて、
私の手足みたいな感じになるんですけどね」
そう言って 彼女は自分の黒い金属で製られた義碗と義足を男性に見せた
男性
「…じゃあ ボスは今 何処にいるんだ!!教えてくれよ!!!」
男性の言葉を聞いた緋い瞳の持ち主はまた服の中に手を入れ
「ここです」
取り出したのさっきの写真だった
「…は?」
男性は意味が分からないと言った様子だ
「だから この中にいるんですよ♪
写真の中にです♪ 不思議ですよね♪」
緋い瞳の持ち主はそう言って クルりと廻る
男性
「…お前 頭 おかしいんしゃねぇの?」
ガゴッ!!!
男性
「ひいっ…!?」
男性の顔のすぐ近くの壁に鋭利な物が突き刺さり 壁に風穴が開ける
「にゃははは♪ 本当に反抗的なねずみさんですね♪ 」
緋い瞳の彼女はニコリと微笑む
「そんな反抗的だと『興奮』してきちゃう♪
ちょっといじめちゃってもいいですか?」
男性
「ひっ……やっ…やだ…やめてくれ…!!」
緋い瞳の彼女は壁に突き刺さった鋭利な武器を引き抜き、それを男性の左目に近づけ
「片目くらいはいいですよね?」
男性
「はっ…! やめっ…やめろっ!!!やめてくれっ!!! 頼むっ!!!」
男性は恐怖で顔を大きく歪ませる
「にゃは♪ いい顔しますね♪
じゃあ遠慮なく…」
「"やじゃあああああああああああああ"!!!」
「…というわけで左の眼球をお願い お爺ちゃん♪」
緋い瞳の彼女は電話相手にそう伝える
《 承知した、すぐに製ってやるからな、ところでそっちの仕事はどうだ? 大変じゃないか? 寂しくないか?》
電話相手はそう答える
「大丈夫だよ お爺ちゃん、スクアもいるし
何の問題もないよ、それよりも準備はどんな感じ?」
《 ああ 実に準拠だ、12月には余裕で間に合う、何の問題もない 》
「よかった、私達も頑張って『アレ』を捕まえておくからね♪ 」
《 やはり お前は良い子だなノラ
だが『アレ』は貧弱だが悪知恵が働いく上に隠れるのが上手い、捕らえるのには骨が折れる、スクアと協力して頑張るんだぞ! あの子は頼りになるからな 》
「そう♪ そう♪ 昨日も大きくて変な魚を捕まえて『ロケット直送』でそっちに送ってたものね♪」
《 そうだな、あれは中々の上物だな
流石はスクアだな、取り込まれた『魂』は
黒白に任せとくか、あの2人ならすぐに解放してくれるだろ 》
「そう よかった よかった♪」
彼女は上機嫌な様子で微笑む
《 それで『あいつ』の方はどうだ?何か変わった様子はあるか? 》
「特に変な様子はないかな、とても楽しそうにすごしてる」
《 そうか…とにかく、何かあったら すぐに俺に言えよ、お前が遠い場所にいるのは流石にもう慣れてきたが、それでも落ち着かないのは相変わらずだ、ちょくちょく電話してくれ
》
「わかったよ お爺ちゃん♪ 私 頑張ってくるから♪ 」
《 おう!頑張ってけよ!! それじゃあ仕事に戻るからな! また後でな!》
「おつきゃーっと!」
《 おつきゃーっと!》
カチャンッ
そうして電話が切れた
キャスト
オルガ・イツカ
(オルガ・イツカ) 異世界オルガシリーズ
アカリ・
(ミライアカリ) VTuber
三日月・オーガス
(三日月・オーガス) 異世界オルガシリーズ
ケリン・ヤミクモ
(ヤミクモケリン) VTuber
絆 愛
(キズナアイ) VTuber
マクギリス・ファリド
(マクギリス・ファリド)異世界オルガシリーズ
ルナ・グラッカ
(輝夜 月) VTuber
ナワーブ・サベダー
(ナワーブ・サベダー) 第五人格
エミリー・ダイアー
(エミリー・ダイアー)第五人格
サハナ
(さはな) VTuber
いわなが
(いわなが) にじさんじCOO
三国先輩
(三国太一) イナズマイレブンGO
怪録百年祭 第1章 「救難信号」後日談は終わりです
予定よりだいぶ遅くなってしまい、申し訳ありませんでした
これから続けていこうと考えているのでよろしくお願いします
ではまた
鉄血勢の出典は異世界オルガなのか……
あとアカリちゃん生きてたのねよかった。
俺はいくらでも待ってるから遅れても大丈夫やぞ執筆頑張ってね
>>42
ありがとうございます!
原作の原作の方のオルガは生き返る能力が無いのと鉄血以外の異世界オルガ関係のキャラも出演予定なのでそうしときました
これから頑張っていこうと思います!
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